簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 「脱ゆとりが進みつつある」
 「教育現場の工夫で子どもたちが学力を取り戻しつつある」

 ある日のある新聞の1面の記事で、OECDが行った世界各国の学力調査で日本の順位が上がったことに関する記事です。2003年に、日本の15歳の学力は過去最低を記録しました。2003年の日本の順位は読解力15位、数学的応用力10位、科学的応用力6位でした(65ヶ国・地域中)。資源がない日本は技術力で勝負しなければなりませんから、高い学力は国力を維持するために絶対に必要な要素です。ですから日本にとって2003年の成績はかなりショッキングな出来事でした。

 今回の調査では読解力4位、数学的応用力7位、科学的応用力4位となり、かなり順位を上げています。日本の一部の子ども達だけが参加した試験での成績とはいえ、順位が上がったことは喜ばしいことですし、これが日本全体に広がっていけばなおいいですね。

 記事では学力が上がった原因として教育現場の工夫が挙げられていました。例えば、先生方は「答えだけを書いちゃダメだよ。答えを出すときに考えたことをできるだけ多く書いてね。」など、暗記ではなく、考えるプロセスを大事にするような指導をしているそうです。

 私が学生の頃は、団塊ジュニアということもあり、詰め込み教育が問題とされた時期でした。でも、試験問題を解くためには暗記していることを書けばいいわけではありません。だから、暗記ばかりしていたわけではなく、論理的な思考能力も鍛えていた気がします。決して、詰め込み教育=暗記だけしかしないので応用力がない、という批判は当たらない気がするのです。その証拠に、我々の世代の学力調査ではよい成績が出ていましたよね(以前は別の国際機関による理科と数学の試験だけでしたが)。

 ということは、私たちが学生の頃の先生方は、詰め込みをすると同時に、それを使いこなす技術も教えてくれていたということです。「ゆとり」の時にそのような指導がなくなり、現在、復活しつつあるという段階なのでしょうか。

 簿記の試験でも同じです。「こんな文章が出たときにはこのように仕訳する」的な暗記で試験を受けると落ちる可能性がかなり高いです。私は講義で「なぜこのように仕訳するのか」ということを重視してお話ししていますが、学生の頃に教えられたことを繰り返しているだけなのであって、大切なことは同じなのですね。



小野正芳

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