簿記講座の講師ブログ

絆と言いながら・・

皆さん、こんにちは。

大震災のときに絆がキーワードになりました。
でも、なかなか実践するのは難しそうです。

個人所得税では平成25年分から、復興特別所得税として、
本来の所得税の2.1%が上乗せされます。

確定申告で税務署に申告書を出しに行くと、
税務署の方がほとんどの提出者にこの事を説明し、申告書の訂正をお願いしていました。
たぶん、提出者が持ってきた申告書の復興特別所得税計算欄が空白だったんでしょうね。

税務署職員「今年分から復興特別所得税との課税が始まりますから、
2.1%分上乗せして、税額を計算してください。」
納税者「えっ、税金増えるの?」
税務署職員「えぇ、すみません。復興に充てる資金が必要なものですから。」
納税者「えぇ~~!」
 
上乗せ分は復興資金に充てられる(厳密には、すでに復興資金を借金で調達しているので、
その返済に充てられる)んですが、そのお金を税金として払うのは難しいのですね。

また、企業の行動も似たような感じで、企業と従業員の関係では絆はなさそうです。
よく、デフレだから給料が下がったと言われていますが、
実は、公表されたデータを見ると順序が逆なんですね。先に下がり始めたのは給料なんです。

個人は給料が下がったから出費を削りました。消費が減るわけです。
すると、その逆側にいる企業にとってみれば売上が減り、場合によっては赤字になってしまいます。

すると、値下げやコストダウン(給料カット)をしなければならなくなり、
従業員の給料がさらに下がり・・・ということで、デフレスパイラルが始まったわけです。

デフレスパイラルの起点が給料カットだったとすれば、
日本全体で見ると、企業は自分で自分の首を絞めていた20年だったわけですね。