簿記講座の講師ブログ

それと比較すべき?

皆さん、こんにちは。

ちょっと前の話ですが、今年も司法試験の合格発表があり、
法科大学院修了者の合格率が25.8%と発表・報道されました。

そもそもの制度導入時は法科大学院修了者の7割が合格するはずでしたが、
大学院が乱立しすぎたために制度の初年度から合格率が低迷しているそうです。

法科大学院修了者の合格率が低迷しているのは制度的な問題であり、
何度も聞いた話ですが、今年のニュースでは法科大学院修了者の問題だけでなく、
予備試験合格者の合格率(71.9%)が話題になっていました。

予備試験とは経済的理由などで法科大学院へ進学できない人も司法職に就けるように設置された経路です。
法科大学院の学費は2年で400万円ともいわれています。

司法職に就くためには必ず法科大学院にいかなければならないとなると、
学費を負担できない人は司法職に就けないということになり、制度としてはマズイですよね。

現在の制度のもとで司法職に就くためには

・法科大学院修了+司法試験合格
・予備試験合格+司法試験合格

のいずれかが必要ですが、
現在は、お金のかかる法科大学院修了者の合格率があまりにも低いので、
最初から予備試験経由で司法職を目指す人が増えているそうです。
 
そんな予備試験ですが、さまざまな法律について、
短答(マークシート)式、論述、口述の3つに合格する必要があり、
合格率は約2%だそうです。

この合格率を見れば、法律に関する知識がかなり多くないと、
合格はかなり難しい試験だとわかります。

でも、予備試験に合格できるのは2%の限られた人たちであり、
その人達の71.9%が司法試験に合格したわけです。

ということは、予備試験受験者のうち司法試験に合格した人の割合は1.4%なのであり、
法科大学院修了者の合格率よりもグット低くなってしまいます。

どの数値を比べるかによって、
世の中で起こっていることが違ったように見えてしまいます。
数値の取り上げ方には注意しなければなりませんね。