簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

前回紹介した商品をもう少し詳しく見てみましょう。
まず、この商品は保険であり、預金ではありません。

基本的な性格は、「現在1,000万円を105,340豪ドルに両替し、
それを銀行経由で保険会社に払込み、
両親が亡くなったときに死亡保険金として105,340豪ドルを受け取る」というものです。

ただし、毎年2,601豪ドルずつ利息が支払われ、いつでも解約できるので、
預金のようにも見えるということですね。
保険会社とのやりとりは豪ドルで行われるのですから、
為替リスクは両親もちです。よって、豪ドル預金のようなものですね。

ですから、豪ドル建ての最もシンプルな商品(豪ドル預金あるいは豪ドルMMF)よりも
どれくらい有利で、どのくらいリスクが高いのかを考えればいいですね。

まずは利率についてです。この保険商品の利率は2.47%です。
一方、最も利率の高い銀行で豪ドル預金をしたときの利率は2%です。

ですから、この保険商品のほうが少しいいですね。
でも、外貨建てですから、為替手数料が問題となります。

この保険商品に適用される為替手数料を調べてみると、なんと往復5円です。
為替レートは日々変わりますので、パンフレットなどには書いてないんですね。

パンフレット・説明資料には「通貨交換時にかかる手数料は考慮していません」
と書いてあるだけです。

ということは片道2.5円です。毎年2.47%の利息をもらっても、
為替手数料として約2.5%の手数料を取られるのですから、
実質的に利息をもらうことになるのか?ということになってしまいます。

一方、上記の豪ドル預金をしたときの為替手数料は
往復1円(片道0.5円)です。
ということは約0.5%の為替手数料ですから実質的な利率は1.5%となります。

また、この保険証の場合、預けた元本を引き出すときには、
市場価格調整率と解約控除率が控除された残額が豪ドルで支払われますが、
豪ドル預金の場合には預けた元本がそのまま支払われますので、目減りがありません。
 
う~ん、これだけでももう豪ドル預金の勝ちですね。

もちろん、豪ドル預金と同じ効果を持つ商品がもっと低コスト
(為替手数料が片道0.1円くらい)で提供されているということを考えると、
この保険商品を両親に勧めるのはやめておきたいと思いました。



小野正芳

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