簿記講座の講師ブログ

カンマの話

 皆さん、こんにちは。

一般的に、金額を表すときには
3桁ごとにカンマを付けていきます。

弊社では、簿記検定試験において
解答する際にカンマを付けることをお勧めしています。

金額を表すときには3桁ごとにカンマを付けることが
法律で求められているわけでもありませんし、
検定試験でカンマを付けていない答案を不正解とする
ルールがあるわけでもありません。

しかし、実務ではカンマを付けながら
記録することが一般的(というより当然)であり、
カンマが付いていない書類は基本的に認められません。
 
例えば、何かを購入したときの領収書に「100000」と書かれていたとしましょう。
いくらなのかすぐにわかりません。

もっと問題なのは「0」を1つ書き加えることが可能なことであり、
費用を水増し=脱税できます。
「100,000」と書かれていれば、「0」を1つ書き加えることはかなり困難です。
「100,000,0」とするのはあり得ませんし、「01,000,000」としても何の意味もありません。

「0」を3つ書き加えることは可能ですが、
それだと不自然に高額な領収書になってしまい、とても目立つでしょう。
つまり、カンマを付けることによって、取引を正確に記録できるわけですね。

受験という面からいっても、間違いをなくすためにカンマを付けるほうが望ましいです。
「10000+1000」はすごく読みにくいですが、
「10,000+1,000」とすると計算間違いをする可能性が低くなります。

商工会議所から公表された「第110回簿記検定試験問題の出題の意図」では、
「4桁ごとになっていたり、数字の上に打っていたり(’)するので
正確に記入するよう心がけて下さい」と指摘されています。

ということは、カンマの付け方が変な解答が多いということなのでしょう。
 
電卓では小数点と区別するためにカンマを上に表示する機種もあります
(例えば、10’000と表示)。
でも、これが当然の付け方であると誤解している方も多く、
電卓製造メーカーへ上にカンマを付けるのをやめるよう希望があり、
現在は、上にカンマが表示される機種はないという話も聞きます。
 
3桁ごとに下にカンマを付ければいいだけの話ですから、
大して難しいことでもありません。

受験される方はぜひ3桁ごとに
カンマを付ける癖を付けていただきたいと思います。