簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

皆さんからいただくご質問で多いもののうち、
毎年取引している場合の見越・繰延の仕訳があります。

例えば、「毎年3月1日に向こう1年分の保険料を支払っている。
当期の保険料勘定の残高は21,000円であり、当社の決算日は12月31日である。」
というような問題です。

したがって、決算日には2ヵ月分が前払状態となっています。
昨年(平成26年)から「保険料」を支払い始めたと考え、
その処理の流れを考えてみましょう。
なお、1ヵ月分が不明なので月数を使って仕訳をしてみます。

H26.3/1 (借)保険料 12ヵ月分 (貸)現金 12ヵ月分
H26.12/31 (借)前払保険料 2ヵ月分 (貸)保険料 2ヵ月分

このような処理を行うことで平成26年の「保険料」は10ヵ月分となりましたし、
2ヵ月分が前払いであることも明らかにできました。

では、平成27年になったらどうでしょう? 
平成27年になると「前払保険料」ではなくなります。
そして、2ヵ月分は平成27年の費用です。よって、次のような再振替仕訳を行います。

H27.1/1  (借)保険料 2ヵ月分 (貸)前払保険料 2ヵ月分

厳密に言えば、「前払保険料」が1ヵ月分なくなるのは1/31、2/28です。
したがって、それぞれの日に1ヵ月分ずつ「前払保険料」を減少させ、
「保険料」という費用を増加させるという仕訳が必要ですが、
実務上はこのように2ヵ月分をまとめて年初に処理してしまします。

なお、昨年末に行った仕訳の逆仕訳になっていますね。
そのうえで、平成27年3月1日に12ヵ月分の保険料を支払うわけです。

H27.3/1 (借)保険料 12ヵ月分 (貸)現金 12ヵ月分

この段階で、平成27年の「保険料」が14ヵ月分となっていることがわかります。
その金額が、問題文に書かれているとおり21,000円であるということです。

もちろん、平成27年12/31の決算日においても2ヵ月分が前払状態
になっているのですから繰り延べなければなりません。

前払分=21,000×2ヵ月÷14ヵ月=3,000円

問題文に「毎年・・・」という言葉があるかどうかがポイントですね。



小野正芳

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