簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

4月1日に日本商工会議所より、
簿記検定試験出題区分表の改訂が公表されました。

簿記2級・3級について、平成27年度中の変更はありません。
その一方、「検定試験がより実際の企業活動や
会計実務に即した実践的なものとなるよう」、
平成28年度からは簿記2級・1級の内容が
大きく変更されることとなりました(3級の変更はほとんどないようです)。

新たな区分表では、簿記1級と簿記2級の間で
出題内容が交換されるような形になっています。

たとえば、現在は、1級のみで出題されている連結会計ですが、
今後は、連結会計の基本的な内容について
簿記2級でも出題されるとのことです。

現代では、グループ経営が当たり前の時代になっています。
中小企業でも、機能(製造・販売など)ごとに子会社を作って
グループ経営を行うことも多くなっています。

そのときに、株式会社会計を試験範囲としている2級で
連結について全く触れていないのは、
現実を無視していると判断されてのでしょうか。

多くの企業で行われている会計処理を
比較的低い級で扱うというのは、
「検定試験がより実際の企業活動や会計実務に即した
実践的なものとなるよう」という目的に沿ったものであると思われます。

他にも、1級から2級へ変更となった項目として、
資本提携や子会社支配のために使われている
有価証券、リース会計、外貨建て会計、税効果会計など、
現実的には中小企業を含む多くの企業でも
多用されている取引の処理が挙げられます。

一方、2級から1級へ変更された項目として、
特殊仕訳帳、特殊商品売買、社債、繰延資産など、
現実的には使われていない項目あるいは
大企業に限られるような項目が挙げられます。

ただし、これらの変更は
平成28年から平成30年までにかけて段階的になされます。

毎年、試験範囲の5%くらいが変更されるイメージでしょうか。
しかも、変更された年に変更された項目が出題されたという
実績はあまりありませんので、実質的には、
平成29年~平成31年にかけて徐々に出題傾向が変わってくるということになるのでしょう。

全ての変更点を見ると「結構変わるな」というイメージですが、
よくよく見てみると、変更スケジュールなど
受験者にかなり配慮された“優しい”変更であることが分かります。

あまり心配せずに勉強を続けてよさそうです。



小野正芳

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