簿記講座の講師ブログ

やっぱり戦争の原因は経済?

 皆さん、こんにちは!

 簿記講座担当の小野です。

 今日もがんばっていきましょう!

 アメリカがアフガニンスタンから撤退しました。民主主義の敗北、アメリカの力が弱くなった、ますます中国・ロシアの脅威が高まってきたなどと心配されています。本当に、そうなのでしょうか? 単なる楽観主義はよくありませんが、経済の側面から見ると、アメリカが地力をさらにつけるための一時的な戦略のようにも見えます。

 というのはアメリカがエネルギー(原油)の心配をしなくてよくなったからです。
 これまでアメリカは世界一エネルギーを使う国で、膨大な量な原油を輸入していました。いろんな面で中東の国々と付き合ってエネルギー価格ができる限りやすくなるように外交を行っていたわけです。

 ところが、シェール革命を経て、アメリカは自国で使う分のエネルギーを自国で生産できるようになりました。今や、アメリカは世界第4位の原油輸出国です(1位サウジアラビア、2位ロシア、3位UAE)。また、食料輸出は相変わらずの第1位です。

 つまり、ここにきて、アメリカはエネルギーと食料という、私たちが生きていくために必要な物資を他国に頼らなくてよい状態になったばかりでなく、軍事力だけではなく、食料・エネルギーで他国に影響を与えられるようになりました。しかも、世界の基軸通貨はドルで、世界の国々の貿易にも影響を与えることができます。

 例えば、米国にとって気にくわない国が出てきた場合、食料・エネルギーの輸出をちょっと絞って、その国の貿易をちょっと邪魔する(ドル決済をさせない)ことがいくらだってできるわけです。

 それが可能であれば200兆円もかけて、イラクやアフガニンスタンに駐留して、民主主義を広めなくったっていいやと思ってしまったのかもしれません。

 多くの戦争の原因は経済です。独仏戦争も石炭の取り合いが原因でした(それがEU創立にまでつながっていますよね)。経済的なネックがなければ戦争の原因が1つなくなります。今回のアメリカの撤退も、中東に起因する経済的ネック(原油の問題)がなくなったから戦争をやめたといえるのかもしれません。そして、そこに費やしていたリソースを中国・ロシアに向けるのでしょうね。