簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

皆さんご存じの大企業、シャープが苦境に立たされています。

液晶事業などがうまくいかなくなり、
2015年3月期も2012年・2013年に続く大赤字となってしまったそうです。

そうなると、すべての利害関係者がその悪影響を受けることになります。
経営者は交代させられるでしょうし、従業員は給料カットあるいは
リストラの対象となるでしょう。

株主も例外ではなく大幅な株価下落によって
出資額を回収できる見込みが大きく損なわれました。
 
存続が難しくなった企業は、株主の犠牲の上で再起を図ることがよくあります。
簿記の手続きでいうと、以前の株主から受け入れていた「資本金」を使って、
「繰越利益剰余金」を一掃するわけです。

(借)資本金 ×× (貸)繰越利益剰余金(累積赤字)××

これで累積赤字がゼロになり(あるいは大幅に減少し)、
一からやり直すことができます。

これにはもう一つ関連する事柄があります。
「資本金」が1億円以下の場合には中小企業と判定され、
税率が低くなるのです。

そこでシャープは「資本金」が1億円になるように
累積赤字の解消をしようと考えました(と報道されています)。
 
しかし、ここで経済産業大臣、官房長官などから
「国民にとって1億円への減資は違和感がある」と待ったが入ります。

えっ、なぜ?

これは「あなたに有利になるルールは使わないで」と言っているのと同じです。

ほとんどの経済主体は自分が最も有利になるような行動をとるでしょう。
でも、「違和感があるからするな」と言われているわけですね。
このこと自体に違和感を持ってしまいます。
 
シャープは存続するために経営者、従業員、株主に多大な悪影響を及ぼしています。
支払を少しでも減らしたいのであり、税金もその対象でしょう。
そのために「資本金」を1億円にする方法がありました。

つぶれるかつぶれないかの瀬戸際にある企業が
この選択肢を選んでいけない理由は何なのでしょう? 



小野正芳

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