簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

2級では手形の裏書・割引時に
貸倒引当金を戻し入れる処理が求められます。

これについて、なぜこんな処理をしなければならないのか?
というご質問をいただくことがあります。

皆さんご存じの通り、期末に売掛金・受取手形を所有している場合には、
それらが貸倒れになった場合に備えて「貸倒引当金」を設定(積立)します。
それがなされていることを「貸倒引当金を設定している」と表現しています。

そのため、「貸倒引当金」が設定された売掛金や受取手形がなくなった場合には、
理屈上、「貸倒引当金」を取り崩す必要が出てきます。
そこで、受取手形を裏書譲渡あるいは割引した場合には、
その手形に関して設定されていた「貸倒引当金」を取り崩すわけです。

ただし、まだ決済されたわけではないので、
貸倒れになるリスクはなくなっていません。

裏書後あるいは割引後に、手形の振出人が支払い不能になった場合には、
裏書・割引後の所有者から支払を求められますから、
最終的に手形が決済されるまで、支払をしなければならないリスクが残るわけです。

このリスクを「保証債務」という勘定で表しています。

このように、支払をしなければならないことを表す
「保証債務」という勘定を使って処理するため、
相手の倒産により貸倒れになるかもしれないという「貸倒引当金」
という勘定を帳簿から取り消しておかなければ、
1つのリスクを2つ計上することになってしまいます。

いってみれば、裏書(割引)することによって
リスクの内容がちょっとが変わるので、
それに対応するための処理と考えることができるわけです。

なかなか難しいですね。



小野正芳

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