皆さん、こんにちは。
今年最後のブログは、会計が理解されていないために生じる悲劇(?)を取り上げたいと思います。
これまでもこのブログで取り上げてきた話ですが、また、繰り返されました。
安倍首相は新三本の矢としてGDPを600兆円へ増加させる
(現在は約500兆円)目標を立てました。結構、野心的です。
GDPは次のように計算されます。
GDP=個人消費+投資+政府支出+純輸出
投資の大部分は企業による投資(在庫・設備など)です。
ここで、また、誤解にもとづく主張がなされてしまいました(泣)。
ある議員曰く「企業は過去最高益を更新して、利益をたくさん内部留保しているのだから、
それを従業員への賃金アップと設備投資へ回して欲しい」。
・・・・・・・・・・・・。あぁ、やっぱり会計は理解されていないのね・・・・。
リーマンショックのときは「企業は非正規社員を解雇せず、内部留保を使って雇い続けるべきだ」、
東日本大震災の時は「東電は内部留保を使って福島の方へ賠償すべきだ」
と同じような発言が続いてきました。
簿記を学習した方はすでにおわかりだと思います。
内部留保された利益はB/Sの貸方の話で、
従業員への給与や設備投資の原資である現金・預金は借方側の話ですよね。
つまり、内部留保があることと、給与アップや設備投資ができるかどうかは別の問題なんです。
来年も、簿記・会計の知識を多くの方々へお伝えし、
簿記・会計がもっと多くの国民の皆さんの意思決定に使われるよう努力していこうと、
心に誓った次第です。
来年もよろしくお願いいたします。