簿記講座の講師ブログ

さぁ、どうなるでしょう?

皆さん、こんにちは。

またまた日銀が大胆政策です。マイナス金利の導入です。
マイナス金利の導入といってもすべての預金などの金利がマイナスになるわけではないようですが、
予想されているような効果が出るかどうか期待したいところです。

教科書的に言えば、金利が下がると民間による借入が活発になり、
その資金が使われることによって経済活動が活発になります。

A社が低い金利でお金を借りて新しい工場を建てれば、建物を建設するB社、
設備を作っているC社などにその恩恵が波及し、経済全体の活動が活発になるという具合です。

また、金利が低くなれば個人もお金を借りて家を買ったり、車を買ったりしやすくなりますから、
経済活動の活性化につながるでしょう。家を買えば家具や家電を新しくそろえたくなるし、
車を買えばどこかに出かけたく(旅先でお金を使いたく)なりますよね。
そうやって、いろんなところで経済活動が活発になるわけですね。

ただし、この理屈が成り立つのは、「工場を建てて多くの製品を作ればそれが売れる」
という期待があるときです。現在、そんな期待を持てるかどうか。どうなんでしょうね?

また、金利が下がれば株価は上がると言われています。株価の主な構成要素は将来の配当です。
あなただったら、1年後に1,100円もらえる権利を、今、いくらで買いますか? 
世の中の金利が10%だとすれば、今1,000円でその権利を買えばいいですね。
1,000円で買い(相手に預け)、1年後に1,100円もらえれば、
買った(預けた)額の10%分の利益を得られるわけですから。つまり、

現在の金額=将来もらえるお金÷(1+金利)

で計算されるわけです。ですから、金利が下がる(分母が小さくなる)と
株価は高くなるんですね(他の条件は変わらないとして)。

日経平均株価は、日銀がマイナス金利を導入すると発表したときから
3日で1,000円近く上昇しました。当初の動きは教科書通りの動きです。

ただし、株を買って将来もらえるお金(将来の配当=その企業の将来の利益)が少なくなる場合、
上記の式の分子が小さくなります。その場合、分母の金利を引き下げても株価自体は上がらなくなってしまいます。
将来の配当(将来の利益)が減らないことを祈るばかりです。

とにかく、期待される効果が出て、私たちを取り巻く経済環境がよくなることを祈りましょう!