簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。

今回は原価差異の計上場所に関するご質問・回答を紹介します。

ご質問)
材料・労務費・経費などが予定配賦されて、かつ、製造間接費も予定配賦されている場合、
ダブって原価差異が計上されてしまうのではないか?

例えば、「賃金・給料」から「仕掛品」・「製造間接費」への振替を例に考えてみます。
「賃金・給料」での各要素を、「仕掛品」へ振り替えられる“直接費“部分と、
「製造間接費」に振り替えられる“間接費”部分に分けて記載してみましょう。
 ・直接費:直接工賃金
 ・間接費:間接工賃金・給料 

01

上記の通り、賃金を予定配賦するというのは、“直接費”部分(直接工賃金)については
消費額が予定額(貸方:未払分も含む)で計算されるということです。
支払額は実際額(借方)で計算されるといますから、貸借に差額が生じ、
それが「原価差異」として集計されます。

一方、”間接費”部分(間接工賃金・給料)については、
消費額も支払額も実際額で計算されていますので、「原価差異」は生じません。
つまり、「賃金・給料」勘定で計算される「原価差異」は
“直接費”部分に関する差異であるということです。

続いて、「仕掛品」・「製造間接費」をみてみましょう。
「賃金・給料」では、“間接費”部分の消費額は実際額で計算されています。
よって、「製造間接費」の借方に振り替えられる金額も実際額です。

02

一方、「製造間接費」が予定配賦される場合、
「製造間接費」から「仕掛品」へは予定額で配賦されますから、
「製造間接費」の貸方には予定額が記入されます。

したがって、貸借に差額が生じ、それが「原価差異」として集計されます。
つまり、「製造間接費」勘定で計算される「原価差異」は
“間接費”部分に関する差異であるということです。

このように、
 ・“直接費”部分に関する差異:各原価要素で把握される。
 ・“間接費”部分に関する差異:「製造間接費」勘定で把握される。

上記の通り、別の勘定で別の部分に関する差異が計算されているんですね。



小野正芳

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