簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
暑いだけで疲れてしまいますが、いろいろな解消策で吹き飛ばしてしまいましょう!

今月ご紹介したいご質問は返品調整引当金に関するご質問です。
とても的を射たご質問なので、そのまま記載させていただきたいと思います。

(ご質問)
「前期に掛売りした商品に対して、今期返品があった場合、貸方が売掛金となるのはなぜですか? 
借方が、返品調整引当金と仕入となるのは、わかります。でも、売掛金は、前期で締めきられているのに、
どうして売掛金でいいのでしょうか? 
今期掛売りした商品が、今期返品された場合と同じように、貸方が売掛金となるのはなぜでしょうか?」

(回答)
「売掛金」勘定は前期で一度締め切られて「次期繰越」とされ、
当期の初めに「前期繰越」ということで繰り越されてきます。
ですから、前期発生の「売掛金」が当期に回収できなくなった場合、「売掛金」を減少させます。

一方、「売上」は前期末に「損益」勘定にてその他の費用と差し引き計算され、
その差額(利益)が「繰越利益剰余金」勘定に集計されています。
ですから、前期の「売上」だけを当期に減少させることはできません。

このように、資産・負債は決済されるまで
あるいは資産・負債の実態がなくなるまで、繰り越します。
建物や備品も減価償却が終わるまであるいは売却されるまでずっと繰り越されます。

一方、収益・費用は年度末に利益計算に含められてしまい、
翌期に繰り越されることはありません。
「損益」勘定で他の収益・費用とごちゃ混ぜにされてしまい、
結果だけが「利益」あるいは「損失」として「繰越利益剰余金」勘定に就役されますね。
翌期になると当期の収益あるいは費用だけを抜き出すことすらできなくなってしまいます。

したがって、返品調整引当金が設定されている返品がなされた場合には、
負債である「返品調整引当金」が取り崩されると同時に、資産である「売掛金」がなくなります。



小野正芳

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