簿記講座の講師ブログ

2つの立場でちょっと疑問

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
あぁ、夏ももうすぐ終わってしまいます。
はやく次の休みにならないかな。
 
前回の続きです。
 
 羽田空港駐車場の料金について、個人的には、
経済の原則からいうとえぇぇ~~という状況だと思います。
羽田空港の駐車場はいつも1日1,500円、一方、行楽シーズンには周辺の駐車場は1日3,000円です。

空港に直結している便利な(しかも屋根付き)駐車場が1日1,500円で、
空港までバスで送迎してもらわなければならない不便な場所にある(しかも屋外)駐車場が1日3,000円。
羽田空港の駐車場は、周辺の駐車場より安くて、かつ、良心的でいいじゃないかと思わないこともありませんが、
個人の利用者ではなく、もっと広い視点から見てみると、ちょっと・・・という感想です。

1つは国民としての立場から見た場合の話です。
羽田空港は国の所有物でその管理・運営を日本空港ビルディングという民間企業が行っています。
日本空港ビルディングは国に施設利用料等を支払っており、駐車場利用料の一部も国に納められるでしょう
(細かいところまで資料を探せませんでしたが)。

現在、羽田空港の容量は限界近くに張り付いており、今後伸びる航空需要を満たせないということを前提とすれば、
できる限り多くの資金を確保することが必要でしょう。国の航空政策という点から見れば、
羽田空港の駐車場の倍の料金を出しても止めたい人(周辺の駐車場を利用する人)がたくさんいるわけですから、
わざわざ便利な駐車場を安く使わせる必要はないのではと思うわけです。

2つめは株主(資本主義)の立場から見た場合です。
日本空港ビルディングは東証一部に上場している企業で利益を追求して活動している企業です。
周辺の駐車場が1日3,000円稼いでいるのに、1,500円しか稼がない企業は、株主の目にどう映るでしょう? 
もちろん、すぐに満車になってしまうのは一時期だけでしょうが、
そんなときだけでも値上げして少しでも多くの利益を稼ぐことが必要でしょう。

だって、JALやANAも休みの時期の航空運賃は閑散期の倍くらいしますよね。
それでもみんな、高い料金を払って旅行に行くんですから、駐車場代だって払うでしょう。
そうやって、価格を調整することで資源を最適な状態に配分するのは市場の役割です。
そんな調整がなされるから、旅行代金が高い時期は家でじっとしていて、
安い時期に休みをとって旅行に行く個人が出てきて、繁忙がある程度均質化されるわけですよね。

なんてことを感じてしまった夏でした。