簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは。
簿記講座担当の小野です。
あぁ、はやく、暖かい春が来ないかなぁ。

前回の続き、比較優位の話です。

こんな例を考えてみましょう。
「弁護士先生と事務員さんの2人でやっているある事務所があります。
事務員さんを雇っていますが、この事務員さんの事務処理能力より弁護士先生の事務処理能力が高いという状況です。
弁護士先生は事務員さんを解雇すべきでしょうか?」

この状況でも弁護士先生は、事務員さんを解雇してはいけません。
なぜでしょう? 弁護士先生が事務までやったほうが効率がいいような気がしますが…。

答えはこうです。
弁護士先生が事務処理をやると、事務処理のために弁護士先生の時間が割かれてしまい、
本来弁護士先生がやるべき法的サービスの提供に関する時間を削らなければなりません。
法的サービスが利益を生み出すのであり、事務処理は直接利益を生み出すわけではありません。
弁護士先生が事務員さんを解雇したら、弁護士先生が利益を生み出すサービスをやめて、
利益を生み出さない活動に精を出すことになります。そんなバカな・・・。

つまり、絶対能力で人を仕事に割り振ってはいけない、
能力の相対性で人に仕事を割り振り、全体として最大の利益を生み出そう、というのが比較優位の考え方です。

経済のグローバル化はこの具体化ですよね。
先進国の教育水準は新興国の教育水準より高く、先進国の人々はより高度な仕事ができるから、
製品の開発などのちょっと難しい仕事は先進国でやって、
工場での生産のような比較的ルーティンの要素が強い仕事は新興国でやろうというわけです。
そうすれば世界全体でみたときの利益を最大化できるというわけです。

この路線で進んできたグローバル化に待ったをかけたのが「米国ファースト」です。
さて、「米国ファースト」は経済学の教科書が教える理論が間違っていると証明できるのか、
それとも、やっぱり経済学の教科書が正しいのか、どちらと出るでしょうか?



小野正芳

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