簿記講座の講師ブログ
株価アップの奥の手:簿記の勉強を続けて世界を広げよう!

皆さん、こんにちは。
簿記講座担当の小野です。
徐々に涼しい時期になってきました。
体調管理には気をつけていきましょう!

日本の株価もアメリカの株価も、コロナ前を回復している今。

アメリカに至ってはコロナ前を超えて、
過去最高値圏にまで上がっています。

株価が上がるためには会社のもうけが増える必要があると思いますが、
今はそんなに儲かっているのでしょうか?
とてもいい状況とは思えないのですが、何か裏があるのでしょうか?

実は、利益アップ以外にも株価アップ要因はいくつかある。
代表的なポイントは「お金の価値」と「株式の需要と供給」です。

「お金の価値」といっても、お金そのものの価値ではなく、
「株式から見たお金の価値」ってことで、要するにバブルってやつですね。

現在みたいに金融緩和で世の中にじゃぶじゃぶお金が供給されると、
お金のありがたさ(価値)が減ります。

すると、例えば、
今まではトヨタ株1株を10,000円と交換していたのが、
トヨタ株1株と交換してもらうために必要なお金が12,000円になるわけです。

これはトヨタ株の価値が高まったというより、交換するのに使う
お金の価値が低くなったために、トヨタ株の価格が上がるってことですね。

このように金融緩和されれば、企業の利益とは関係なく、株価を
上げることができ、実際、アベノミクスでは、2012年から行われた
金融緩和の助けも借りて、株価が2倍以上になりました!

もう1つが「株式の需要と供給」。
株式に関わらず、あるモノが貴重品になったら、価格はどうなるでしょう?
ふつうは値上がりしますね。
2月・3月ごろ、貴重品になったマスクが高騰しましたよね。

だから、株価(株式の価格)を上げるために
世の中に出回っている株式の数を減らせばいいんです。

どうやって減らすか? 自分で自分の会社の株を買えばいいんです。
これを「自社株買い」といいます。

例えば、アップル自身がアップル株を買えば、
世の中からアップル株を減らせます。

この場合、アップルが投資家から
出資してもらったお金を、今の価値で返すことになります。

世の中に出回っている株式を買い取っても、会社そのものの価値は
変わりませんから、株数が減れば、株価が上がるはずです。

例えばアップルは2013年から2019年までで株の1/3くらいを
買い戻していて、理論上、それだけで株価が1.3倍くらいになるはず。

実際は1.6倍くらいになっていて、自社株買い+業績アップで、
株価が1.6倍になっているということです。
自社株買いの処理は2級では出題されず、1級の範囲です。

でも、簿記の勉強を続けていけば、
簿記処理を学ぶということを通じて、世の中で行われている
いろんな取引を知ることができて、世界が大きく広がります。

みなさん、ぜひ、上を上を目指していきましょう!