先月は世界遺産のお話でしたが、今月も地理です。題して「名数事典」。こちらも保存版です!
「名数」とは、共通・同類の事柄を、3つ、4つなどいくつかにまとめ、数字を付けてグループ化したものです。「御三家」「四天王」などが代表例です。
特に国内地理には、自然景観や名所旧跡、伝統行事をはじめ、さまざまな分野で「日本三大○○」「三名××」などと呼ばれるものが多数あります(日本人は名数好きなんですね)。その多くは、全国に知られたベスト3といえるもの。もちろん、試験にも出題頻度の高いものばかりです。
なお、取り上げられる地名や名称には異説が多く、地方によっても異なることがあります。私の郷里にも、「三大○○」「四大○○」の一つと地元で呼んでいるものがあるのですが、東京へ出てきて、誰も知らないのでガッカリしたことがあります(泣)。
主なものに絞り込んでも相当な数がありますので、4回に分けて掲載します。第1回目は日本三景をはじめとした景勝地と温泉です。
とりあえず、代表的なものから並べていきますので、片っ端から覚えていきましょう。
① 景勝地
・日本三景
万葉の昔から知られた、わが国の自然景観の代表中の代表。
江戸時代に「日本三景」として確立しました。
松島(宮城)・天橋立(京都府)・宮島(広島県)
・新日本三景
大正時代に、国民の投票で選ばれた景勝地です。
大沼(北海道)・三保松原(静岡県)・耶馬渓(大分県)
・近江八景(滋賀県)
琵琶湖を巡る景勝地を、中国湖南省の「瀟湘八景」になぞらえたものです。全国各地にも「○○八景」があります。
三井の晩鐘・石山の秋月・堅田の落雁・粟津の晴嵐・唐崎の夜雨・瀬田の夕照・矢橋の帰帆・比良の暮雪
② 温泉・温泉郷
温泉天国の日本ならでは。重複するものも多くあります。
・三名泉
草津(群馬県)・下呂(岐阜県)・有馬(兵庫県)
・三古泉(古湯)
有馬(兵庫県)・白浜(和歌山県)・道後(愛媛県)
・三大温泉郷
熱海(静岡県)・白浜(和歌山県)・別府(大分県)
・奥州三名湯
秋保(宮城県)・鳴子(宮城県)・飯坂(福島県)
・奥州三高湯
蔵王(山形県)・白布(山形県)・高湯(福島県)
・庄内三楽湯(山形県)
湯田川・湯野浜・温海
・美作三湯(岡山県)
湯郷・奥津・湯原
(おまけ)
・日本三大美人の湯
女性の方はぜひお試しを!
川中(群馬県)・龍神(和歌山県)・湯の川(島根県)
この他にも自称「美人の湯」が各地にあります。また、「三大美肌の湯」もありますよ。
次回は自然景観です。