旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

JR運賃計算の裏技(2)

前回は、ちょっとキロをいじれば割引になるというお話でした。「ちょっとキロが足りない」ときがポイントで、大幅に足りないときは、この技は使えません。

今回も、そのバリエーションです。

2.往復割引を創り出す

〈問3〉東京-新神戸間(幹線:営業キロ589.5キロ)の往復旅行をする場合、往復割引は適用できるか?

国家試験での正解

割引はできない。往復割引は、営業キロで600キロを超えて利用する場合に適用される。よって、無割引の普通運賃9,460円の単純な2倍の運賃=18,920円が適用される←もちろん、試験では、こう解答しないとアウト!

裏技正解

割引できる。前回ブログをお読みの方は、もうお分かりですね。前回同様、キロをちょっと伸ばせばOK。新神戸は新幹線上の駅なので、1つ隣の西明石まで伸ばして、東京-西明石の往復とする(片道の営業キロ612.3キロ)。片道普通運賃は9,790円で、この1割引となる。

9,790円×0.9=8,811円→8,810円。往復では17,620円。その差1,300円で、駅弁と缶ビール1本ゲット。

*新神戸は途中下車、途中乗車となります。

*前回の問2のように、長崎などの行き止まり駅を往復する場合でも同じで、出発駅を少し手前にしてキロ数を満たせばOKです。

国家試験では、次のような問題が出題されたことがあります。

新倉敷-(幹線・営業キロ464.5キロ)-豊橋-(地方交通線・営業キロ129.3キロ、換算キロ142.2キロ)-飯田

片道普通運賃は運賃計算キロ(606.7キロ)に基き、9,790円。ただし、通算営業キロは593.8キロのため、往復割引は適用できない。よって往復運賃は、9,790円×2=19,580円(割引なし)←しつこいですが、試験ではこれが絶対的な正解。

*この例も、601キロ以上になるように乗車券区間を変更します。飯田の4駅先の下市田までの乗車券とすると、6.3キロ増加して営業キロは600.1キロとなり、往復割引が適用できます(飯田-下市田間は前途放棄)。往復割引運賃は上の例と同じで17,620円。その差1,960円! 名古屋の松浦商店「ひつまぶし弁当」とロング缶ビール1本がいただけます。

次回は、普通運賃を少しでもおトクにする方法をお話します。