旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

JR運賃計算の裏技(4)

ここまでの知識を活用した実践編です。どれだけトクにできるか、試してみましょう。

4.つなげて伸ばすと、おトクになる

〈問5〉往路は東京から仙台まで(営業キロ351.8キロ)新幹線、仙台でレンタカーを借り、更に一ノ関から新青森まで(営業キロ268.6キロ)新幹線を利用します。

復路は七戸十和田から東京まで(営業キロ668.0キロ)新幹線を利用します。

運賃(料金を除く)が最も安上がりの方法は?

①行程通りの運賃

・往路…6,050円+4,840円=10,890円

・復路…10,010円

合計 10,890円+10,010円=20,900円(往路・復路が同一経路でないため往復割引は適用不可)

②ちょっとひとひねり(もうだいたいお分かりですね)

・往路…仙台-一ノ関間もJRを利用したものとして、この区間の営業キロ93.3キロも通算し、東京-新青森間(営業キロ713.7キロ)で運賃を計算する。

・復路…新青森-七戸十和田間もJRを利用したものとして、この区間の営業キロ45.7キロも通算し、新青森-東京間(営業キロ713.7キロ)で運賃を計算する。

③ ひとひねりした後の運賃

  いじった結果、東京-新青森の往復割引運賃が適用されます。

 ・片道普通運賃…713.7キロ→10,340円

 ・往復割引運賃10,340円×0.9=9,306円→9,300円 9,300円×2=18,600円

行程通りの計算と比べると、20,900円-18,600円=2,300円もおトクになりました。実際は乗車しない区間(合計営業キロで139.0キロ)を追加することで、遠距離低減法と往復割引の両方の恩恵を受けられるわけです。

なお、乗らなかった139.0キロ分を払い戻すことはできません(そこまで都合よくはいきません)。

しかし、なんでもかんでもつなげれば安くなると言うわけではありません。それは次回のブログで。