旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

つなげないほうがおトクになる?

今回は、前回と真逆のケースです。

〈問6〉以下の行程の普通運賃はいくらか

  上越妙高-(北陸新幹線)-富山-(高山本線)-高山

 ・区間キロ数

  上越妙高-富山(幹線) 営業キロ110.0キロ

  富山-高山(地方交通線) 営業キロ89.4キロ、換算キロ98.4キロ

 ①試験対策のための計算

  幹線の営業キロと、地方交通線の換算キロを通算する(しなければならない!)

  110.0キロ+98.4キロ=208.4キロ → 幹線運賃表より、運賃は3,740円

 ②ところが…

  幹線区間と地方交通線区間を別々に計算すると、

  上越妙高-富山(幹線)営業キロ110.0キロ→幹線運賃表より、1,980円

  富山-高山(地方交通線)営業キロ89.4キロ→地方交通線運賃表より、1,690円

  合計運賃 1,980円+1,690円=3,670円

  なんと、分割して計算するほうが安くなります(70円ですけど)。

実は、幹線区間と地方交通線区間のキロ数が同じような場合には、こんな現象が起きるのです。全区間幹線の場合や、短距離の区間でも、はたまた定期券でも、途中駅で分割購入することで安上がりにできるケースがあります。キロ数をつなげると安くなったり高くなったり、JR運賃は摩訶不思議です。

しかし、国家試験のJR問題では、キロ通算できる片道行程については、「絶対に」全区間を通算しないと誤りです。国家試験では、出題者もちゃんと配慮していて、分割計算の方が安くなるような行程は作りません。試験では、片道の区間は必ず全区間のキロ数を通算してくださいね。

ここまで連載したおトクになる計算方法は、すべて合法的で、利用に際してまったく問題はありません。今回のシリーズでご紹介した行程例でも、乗車券を購入する際に区間をしっかり指定すれば、堂々と購入することができます。

ご自分が旅行する際には、キロ数をつなげたり分割したり、色々と試してみてください。