旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

新しい世界遺産

今年は、2件の新しい世界遺産が生まれそうです。

このブログを書いている時点では正式決定ではありませんが、7月16日~31日にオンラインで開催される「第44回世界遺産委員会拡大会合」で正式に登録が決定される見込みです。

正式決定でないとはいえ、既にICOMOS(国際記念物遺跡会議。文化遺産担当)、IUCN(国際自然保護連合。自然遺産担当)が登録の勧告をしています。この勧告がひっくり返されることはまずないので、「登録は間違いなし」といえるでしょう。
今後の新聞やテレビ等の報道にご注意ください。

なお、受講者の方にはManaBunにて情報を既に公開済みですが、ブログでもより詳しくご紹介いたします。

本年の世界遺産委員会で、わが国が推薦した以下の2物件が、新たに世界遺産として登録される見込みです。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」(文化遺産)
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(自然遺産)

近年は、単年度の世界遺産登録件数を抑える傾向にあり、同一国からは原則1件となっています。同じ年度に複数の世界遺産が登録されるのは、わが国では平成23年の「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学敵遺跡群」と「小笠原」の2件以来、8年ぶりのことです。

さて、気になるのが、本年度の試験問題に、果たしてこれらの世界遺産が「出るか・出ないか」ですね。

例年、国家試験の問題作成基準日は、以下の通りです。
・国内旅行業務取扱管理者試験…6月1日
・総合旅行業務取扱管理者試験…8月1日

したがって、国内旅行業務取扱管理者試験では、上記の2物件について、「世界遺産」として問われることはないでしょう。正式登録は基準日より後ですから、出題したらフライングです。ただし、地名・名称そのものは何らかの形で出題される可能性はあります。

一方、総合旅行業務取扱管理者試験では、「世界遺産」として出題される可能性があります。決定は基準日ぎりぎりとなりますが、おそらく登録決定を見込んで問題作成をしていることでしょう。

どちらの試験でも、登録物件として挙げられている地名・名称はしっかりと押さえておきましょう。

※ちなみに、世界遺産に限らず、他の科目・分野でも、改正事項等は上記の基準日に基づきます。これ以後の改正は、試験問題には反映されません。たとえば、2019年10月1日に消費税が10%に改訂されましたが、その年の10月13日に行われた総合管理者試験では、「8%」で出題されました。

次回は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」についてご紹介します。