旅行業務取扱管理者スペシャリストによるこっそり裏講義

前回に引き続き、今回は昨年の総合管理者試験を振り返ってみます。

4科目受験者の合格率は13.7%でした。
かつては20%を超えた年もあったのですが、
これで3年続けて10%台前半になりました。

決して難関試験とは言えませんが、
ある程度の覚悟を持って取り組まなければ合格できないレベルになってしまいました。

まず、旅行業法と約款はあまり合否に影響しない科目だと思いますが、
正解するための知識の正確さがより求められています。

両科目ともにいわゆる択一問題ではなく、
正しい選択肢をすべて選ぶ形式を多用していますので、
曖昧なままの暗記はあまり意味がなくなります。

国内実務のうちの観光地理は、前回国内管理者試験で指摘したことがここでも妥当します。
(該当箇所を参照してください。)
その年のテーマ問題は、「石垣空港、富士山、NHKの大河ドラマ」でした。
運賃・料金は初学者がみると、「こんなこと知らないよ!」ということばかりでしょう。

しかし、学習を始めてみると分かりますが、
定番と言える項目がいくつかあります。
昨年は航空運賃の割引運賃(往復割引、旅割)や小児の扱いが、
JRでは「のぞみ」と「みずほ」の乗継、「はやぶさ」のグランクラス、通過連絡運輸、払戻し、乗継割引など
あらかじめ出題が予想される項目が多く出題されました。

いきなり全部理解することは不可能でしょうが、
正しいステップを踏んで学習すれば、しっかり成果が得られる出題でした。

海外実務も大きな変化はありませんでした。
トーマスクックという時刻表が廃刊されたのでその分の出題はなくなりましたが、
以前から出題された項目でその分が補われていました。

昨年は受験区分E(約款と海外実務)の合格率も25.8%と低かったので、
海外実務で得点できなかった人が多かったのでしょう。
原因は3つ考えられます。

1つ目は準備に時間がかかることです。
運賃計算の規則、出入国の規則、海外の観光地理、時差や飛行時間の計算など
一応の範囲を押さえるのに数カ月はかかるでしょう。

2つ目はこれらの出題形式に慣れる時間が少ないことです。
知識を得点に変える作業のことですが、
本番で混乱しないように問題集を反復する時間がある程度必要です。

3つ目は本試験中に時間不足になることだと思います。
海外実務は80分間で52問が出題されますので、
1問1問は丁寧に解けません。
実力を十分に発揮するためには、時間を測って解答する経験が必要です。

こう考えてくると、
ここ数年の合格率の低下は計画的な学習ができた人が少ないということではないでしょうか。
これから学習に取り組む皆さんはこの点に十分留意してください。



相馬隆幸

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