旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

桜前線

お彼岸を過ぎる頃、全国各地から桜の便りが聞こえてきます。
南北に長い日本列島ですから、開花の時期は地域によってさまざまですね。

ところで、旅行管理者試験の約款の科目では、次のような問題がよく出題されています。

“旅行業者は、花見を目的とする国内日帰り旅行において、
開花が遅れ、…(略)…契約を解除しようとするときは、…(略)…
より前に旅行者にその旨を通知しなければならない。
(H25 総合管理者試験)”

上述の記述は基本的に正しく、
旅行業者は花が咲かなければ旅行を中止できます。

そこで、全国各地の「花見ツアー」の実施時期は
いつごろなのか調べてみました。
場所は「日本さくら名所100選」から適当にピックアップしました。

まず、南の沖縄ではソメイヨシノではなく寒緋桜(緋寒桜ともいう。)が咲きます。
早咲きです。有名なのは「名護城」の桜で、今年は1月31日~2月1日に
「名護桜まつり」が行われたようです。
バスツアーがこれに合わせて1月中旬から催行されていました。
さすがに早いですね。

関西では、奈良県の「吉野山」が有名ですね。
標高の低い「下千本」から咲きはじめ、「中千本」「上千本」「奥千本」まで順に続きます。
そのため、満開は4月10日前後から半月ほど。
全国的に知られる名所ですから、北海道や九州からのツアーが
4月上旬から催行されています。

本州の中部地方では長野県の「高遠の城址公園」の桜が知られています。
高遠の桜はコヒガンザクラ(小彼岸桜)といい、ここだけの固有種です。
見ごろは4月中旬で、主に関東、関西、東海地方からツアーが多く出ています。

北海道の桜の名所は、日本最後の本格的築城といわれる
松前城のある「松前公園」です。
今年は何と4月29日~5月20日に「松前さくらまつり」が行われるようです。
5月下旬近くなっても「さくらまつり」とはやはり驚きますね。
付近の観光地と合わせて、道内だけでなく本州方面からの花見客も多いようです。

こうしてみると、各地の名所では一定期間は咲いているようですから、
よほどの異常気象でなければ、
「開花が遅れ(又は早まり)契約を解除」ということはなさそうですね。

試験ではほぼ毎年のように出題されますが…(笑)。