旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

幻のカニ?

いつも試験の話ばかりなので、たまには旅の話をします。

「冬の味覚」と聞いて、皆さんは何を連想しますか? 私は、カニです。カニしかございません。
他にも色々とあるのは十分承知していますが、独断と偏見をもって「カニ」を推します。

カニといっても、かの有名な松葉ガニと越前ガニの両雄、北海道のタラバガニと花咲ガニに毛ガニ、はたまた南国九州のアサヒガニなど、名物は多々あります。
数ある中で、今回ご紹介するのは「間人ガニ」です。「人間」ではありません。間人と書いて、タイザと呼びます(よってタイザガニと読みます。ニンゲンガニと読まないでください)。
京都府北部の丹後半島にある間人漁港で揚がるカニで、「幻のカニ」と呼ばれています。

どこが幻かというと、間人漁港ではわずか5隻の小型漁船で漁に出るため、漁獲高が極めて少ないのです。そのため、地元周辺かせいぜい京都市内辺りまでしか出回りません。これが「幻のカニ」と呼ばれる所以です。
しかも、漁場が沖合近いため、冷凍せずに生のまま早朝の港に揚がります。この点が越前ガニや松葉ガニと違うところですね。地元に行けば、その朝獲れたての新鮮なカニを食することができるわけです。

私は、今から数十年前、一人旅で丹後半島を一周したときに間人で一泊し、夕餉に振る舞われた間人ガニに、たちどころに魅せられてしまいました。
文学的才能が乏しいために、その美味さを表現できないのが悲しいですが、まさに「筆舌に尽くしがたい」とはこのことだと、大感激して帰京したのです。

その後も、このカニに出会うために、グループで2回当地に行きました。
カニを食する間、いい歳をした男女が口元や手指を汁だらけにして、一切の会話もなく、髪振り乱すが如く一心不乱にカニにむしゃぶりつく姿をご想像頂くだけで、このカニの魅力が多少なりとも伝わるでしょうか。
当時は、関東から3回も来たのかと、宿の人に大変珍しがられたものです。今では東京でも提供する店があるようです。
また、京丹後市の「ふるさと納税」の返礼品にもなっています。でも鮮度はどうなのでしょうね。「生」だからこその魅力なのですから、ぜひ地元で頂くことをおすすめします。カニ好きに合う地酒もありますよ。

東京からであれば、新幹線で京都に行き、山陰本線に乗り換えて豊岡から京都丹後鉄道で網野まで。そこから更に路線バスを利用して間人到着です。
片道で丸一日かかりますが、新幹線乗継割引も、往復割引も適用できる行程です。
冬場はおおむね閑散期。

早速、運賃料金計算をしてみましょう。