旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

ヤッカンはヤッカイ?! -その4 損害賠償、特別補償

損害賠償、特別補償も混同されやすい規定です。
どちらも旅行者の損害に対して旅行業者が賠償又は補償を行う規定ですが、責任が生ずる場合や賠償・補償の限度額などの違いに注意が必要です。
今回は、スキを突かれると間違いそうな質問を載せました。

Q1.さまざまな保証等はすべて旅行者のみにされるものだと思っていましたが、旅行者が賠償責任を負うことがあるのでしょうか? この損害賠償以外にも旅行者が責任を負うようなものがありますか?

A1.損害賠償責任は、交通事故などと同じで、故意又は過失により一方が他方に損害を与えたなら、その損害を賠償するという責任です。
これは損害を与えた者が旅行業者でも旅行者でも、その責任は変わりません。
旅行者は何をしても許されるというものではなく、旅行業者の備品を壊したり、添乗員の業務を妨害し日程を狂わせ、又は暴力を振るって傷害を負わせたりした場合など、旅行業者に損害を与えた場合は、賠償責任を負うことになります。
ただし旅行業者の責任の場合のように、期間・日数や金額等の定めはないので、一般的な民事訴訟か示談手続になります。

損害賠償責任以外に、約款で定める旅行者の責任は以下の通りです。
・旅行業者から提供された情報を活用し、契約の内容について理解するよう努めること
・旅行開始後、契約書面と異なる旅行サービスが提供されたと認識したときは、旅行地において速やかに申し出ること
社会一般で負うべき賠償責任と、契約上の責務の遵守及び旅行中の道義的、良識的な行動が、旅行者が負うべき責任です。

Q2.CD-ROMやSDカードなどが補償される場合と補償されない場合の違いは何でしょうか? また、スマホは補償されるのですか?

A2.各種メディアは、その本体については補償の対象となります。しかし、そのメディアに記録されている情報は補償の対象外です。
CD-ROMその他の情報機器(SDカードも同じです)に記録された中身は補償の対象外ですが、媒体そのものについては補償対象です。
スマホも同様で、スマホ本体は補償の対象ですが、スマホに保存されている各種の記録や情報は補償の対象にはなりません。