旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

街歩きの楽しみ

いよいよゴールデンウイークも近づき、日に日に新緑が鮮やかさを増す陽気になりました。お天気のいい日は外へ出てぶらぶらしたくなるこの頃です。

私事ですが、高校時代から登山を趣味としておりますので、歩くのは得意(?)です。山と違い、街中はほぼ平らですし、荷物も軽いので、数時間くらい歩くのはまったく苦になりません。旅先でも、時間があれば街歩きを楽しんでいます。最近は、「世界ふれあい街歩き」など、歩行者目線で街角を巡る番組が増えましたね。観光バスのガラス窓越しに見る景色とは一味も二味も違う魅力があります。

ということで、今回は試験の話を離れて、街を歩いた話です。

ひとくちに街歩きといっても、歩きやすい街と歩きにくい街があります。一つには、道が碁盤目か、放射状かでだいぶ違います。治安面も大きな要素ですが、今回はその話は除きます。国内では札幌、京都、大阪などが碁盤目市街の代表で、3回右折又は左折すればもとの場所に戻れます。

放射状の街又は無秩序的な街は、しっかり地図を用意しないと道迷いします。イスラム諸国のメディナ(旧市街)など、地図があっても絶対完璧に迷います。メディナほどではありませんが、東京も道が錯綜している街の代表でしょう。ま、それはそれで面白味もあり、学生の頃はよく都内歩きをしたものです。意外と起伏に富み(山男ですから凸凹は大好き)、京都ほどではないにせよ史跡も数多くあります。もしかして「ブラタモリ」の先駆者だったかも知れません。
私の郷里も城下町なのですが、江戸城の内堀や、お茶の水辺りの外堀はケタ違いのスケールの大きさ、費やされた膨大な労力に圧倒されます。

小さな街では、喜多方や角館、出石などが印象に残ります。喜多方はさすがにたくさんの蔵があって、半日かけて縦横に歩き回り、腹が減ったのでたまたま入った店のチャーシュー麺が美味しかったのを覚えています。まだラーメンで有名になる前の頃の話です。角館は大雪直後に歩きました。大勢の人たちが懸命に除雪作業している中、ちょっと遠慮しつつ雪を頂いた武家屋敷などを見て回りました(ほとんど閉館で外観だけでしたが)。

海外では、ニューヨークは碁盤目なので歩きやすい街です。セントラルパークから5番街をワシントンスクエアまでひたすら南下し、その先はちょっとスリリングな思いをして、マンハッタン最先端のバッテリーパークまで歩き通しました。途中でフランス人らしき旅行者に道を聞かれ(おいおい、こっちもツーリストだよ)、なるほど世界一の国際都市だなあと実感した次第。

ヨーロッパは碁盤目の街並みは少ないですが、広場と広場を結ぶ大きな通りを歩くと分かりやすいかと思います。パリでは、エッフェル塔からシャイヨー宮〜エトワール凱旋門〜シャンゼリゼ大通り〜コンコルド広場〜ルーブル美術館を経て、シテ島のノートルダム寺院まで歩きました。見物しながらの一日がかりで、山男もさすがにバテた思い出があります。

ロンドンも道路が交錯していますが、テムズ川沿いに歩くと著名観光地が近いのでおすすめです。テムズ川自体が曲がりくねっているので、変化に富む面白い沿岸の景観が楽しめます。

街歩きは、人々と同じ目の高さで、スローに歩くのがいいのでしょうね。雑踏の中にも人々の会話、さまざまな匂い、公園ベンチの座り心地、日差し(又は雨か雪)や足の裏の感触など、五感を通してその街の印象が体に染み込んできます。歩いてみた街ほど、いつまでも強く思い出に残っています。いずれ制約なく旅行ができるようになったときは、みなさんもぜひお試しください。

さて、地元のいつもの散歩コースを一回りしてきますか。