JRのポイント解説最終回です。今回は、グランクラスを利用したときの取り扱いです。2本以上の列車にまたがるときに、同一会社内での利用と2社にまたがるときの適用ルールが違うのでご注意ください。このテーマは、総合管理者試験で出題されています。
Q4.次の行程で、グランクラス料金から1,050円を差し引く列車と差し引かない列車の区別がわかりません(令和元年度総合試験問28)。
行程
金沢―(上越妙高)―長野――高崎――新潟
利用列車 金沢-長野間:かがやき号グランクラスA
長野-高崎間:あさま号グランクラスB
高崎-新潟間:とき号グランクラスB
A4.グランクラス料金から1,050円が差し引かれるのは、次の場合だけです。
① 北陸新幹線で、上越妙高駅をはさんでグランクラスを利用する場合
→JR東日本とJR西日本にまたがり、各会社区間のグランクラス料金から1,050円を差し引きます。
② 東北・北海道新幹線で、新青森駅をはさんでグランクラスを利用する場合
→JR東日本とJR北海道にまたがり、各会社区間のグランクラス料金から1,050円を差し引きます。
上記のように、「異なる会社間にまたがる場合」にのみ、1,050円を差し引きます。料金は会社の区間ごとに別々に計算するため、単純に合算すると、通しの料金よりかなり割高になります。そこで、この場合にのみ1種の「オマケ」として、各区間のグランクラス料金から1,050円を差し引いています。
ただし、1社内の区間のみを利用するときは、1,050円は差し引きません(オマケはなしです)。高崎-越後湯沢間は上越新幹線で、この区間はJR東日本単独の区間のため、1,050円は差し引きません。同様に、北陸新幹線で東京〜上越妙高間のみを利用する場合、又は上越妙高〜金沢間のみを利用する場合は、単一の会社区間内なので、1,050円は差し引きません。同じことは、東京〜新青森間又は新青森〜新函館北斗間にも言えます。
上越妙高-高崎間はJR東日本の区間で、グランクラスAとグランクラスBを乗り継いでおり、通しのグランクラス料金が適用されます。AとBを乗り継ぐときは、より高額なA料金が上越妙高-高崎間に適用されます。この料金から1,050円を差し引くことになります。また、金沢-上越妙高(JR西日本)のグランクラスA料金からも1,050円を差し引きます。列車の利用区間と料金の適用区間は、必ずしも同一ではありません。
JR各会社間は、境目となる駅を覚えておくとよいでしょう。北陸新幹線では、上述のように「上越妙高駅」が境界です。また、東北・北海道新幹線では、新青森駅が境界となります。
また、グランクラスはありませんが、山陽・九州新幹線の境目の博多も重要な駅です。
行程図で、カッコ内に入っている駅は、大体が怪しい駅です。実際の列車乗車区間にかかわらず、会社間の境界となる駅で料金を分けることがポイントです。
※より詳細な料金計算は、問題集第3巻P.61の解説をご参照ください。