旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

期間・日数の数え方-② 「旅行開始日の前日から起算してさかのぼって…???」

標準旅行業約款では、旅行代金の変更の項で、「旅行開始日の前日から起算してさかのぼって15日目に当たる日より前に通知しなければならない」という、何ともまどろっこしい記述が出てきます。この他にも、何か所かで同じような記述があります。ではいったい、何月何日までに通知しなければならないのか、混乱が生じやすいものです。

約款は、一般消費者に読んでもらうものなのですが、部分的にわかりづらい語句や記述が出てくるのは困りものです。試験では皮肉にも、このような規定ほど問題を作りやすいので、よく問われるところです。

具体的な月日をいれ、記述を分解しながら解説してみます。

(例)旅行開始日が10月20日の場合
 「旅行開始日の前日」は10月19日です。この日から起算しますが、「さかのぼって」とありますので、逆算していきます。10月19日、18日、17日、16日、15日・・・
指折り数えるのも面倒だし間違いそうなので、単純に旅行開始日から15日を引きましょう。10月20日-15日=10月5日です。この日が、「15日目に当たる日」となります。
 しかし、この日が通知期限ではありません。「15日目に当たる日より前に」とあるので、10月5日(又はそれ以降)に通知が届いてはだめで、この日より前に通知が届かなければなりません。すなわち、遅くとも10月4日までに通知が届いている必要があります。10月4日とは、旅行開始日の16日前となります。つまり、「15日目に当たる日より前」とは、日常的なことばに置き換えれば、「16日前まで」ということです。

他にも似たような記述がありますので、右側の日常的な言い方と併せて覚えましょう。

 【最少催行人員に満たないときの催行中止の通知期限】
(例)6月30日出発の企画旅行
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって…
・「3日目に当たる日より前」 → 「4日前まで」 → 6月26日まで
・「13日目に当たる日より前」 → 「14日前まで」 → 6月16日まで
・「23日目に当たる日より前」 → 「24日前まで」 → 6月6日まで
・「33日目に当たる日より前」 → 「34日前まで」 → 5月27日まで

 【募集型企画旅行契約における取消し料の適用時期】
・旅行開始日の前日から起算してさかのぼって、20日目に当たる日以降に解除する場合
 …旅行代金の20%の取消し料
(例)6月30日出発の企画旅行では、6月10日以降の契約解除に対し取消し料が適用される(6月9日までは取消し料がかからない)。