旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

約款のポイントチェック(1)

今回は、標準旅行業約款の注意点特集です。約款は法令の問題とよく似ていますが、より範囲が広く、まぎらわしい規定がたくさんあります。相違点を十分に比較整理しましょう。

1.まぎらわしい規定・独自の規定
 募集型企画旅行契約、受注型企画旅行契約、手配旅行契約には、共通の規定も多く存在しますが、試験で重要になるのはまぎらわしい規定と独自の規定です。以下の規定は、それぞれの契約を十分に比較整理しましょう。

① 契約の成立
 3つの契約で違いが大きく、かつ出題も多い規定です。募集型独自の規定としては、「電話等による予約」が定められています。受注型では、企画書面・企画料金が独自の規定です。また、受注型と手配では、申込金を受理せず契約を成立させる特則に注意が必要です(手配では3つの場合があります)。

② 契約締結の拒否・変更・解除
 契約の締結の拒否と契約の解除では、募集・受注共通のものと、募集型独自のものを整理しましょう。旅行者・旅行業者ごとの解除権も同様です。手配ではまったく異質の取扱いとなります。
 契約の変更についても、それぞれの契約で異なる規定がありますので、要注意です。
 ・満員、参加条件不適格…募集型企画旅行契約のみ
 ・旅行者からの変更…募集型企画旅行契約は不可、受注型企画旅行契約、手配旅行契約では可能
 ・契約の解除事由…それぞれの契約の相違点をよく比較する。
  特に、企画旅行契約と手配旅行契約では大きく異なっている。

2.3つの責任の関係
 企画旅行契約では、旅行業者に3つの責任(損害賠償責任、特別補償責任、旅程保証責任)が定められています。この3つの関係が今一つわかりにくいので、まとめて表にしました。

 特に、損害賠償責任と他の責任との関係に注意してください。
 ・特別補償…旅行業者の責任の有無を問わず、一定の損害を補償する
 ・旅程保証…旅行業者に責任がない重要な変更を補償する(責任があるときは適用されない)