旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

JRの特例(2)料金計算のポイント

今回は、JRの料金計算の特例です。毎年、総合試験では料金に関する問題が2〜3問出ており、最も重要なテーマです。特例だけでなく、計算ルールの注意点を含めてお話します。

1.山形・秋田新幹線
「極め付け」といっていい特例です。この列車・区間だけにしかない複数の特例があり、昨年秋に改定されたばかりなので、特別警戒のレベル5です。特に、東北新幹線にまたがる場合に要注意です。

・在来線区間には「東北新幹線にまたがって利用する場合の特急料金」を適用する。

・最繁忙期・繁忙期・閑散期には、東北新幹線区間の特急料金のみ、+400円、±200円を計算し、在来線区間には適用しない。

・グリーン利用時は、東北新幹線区間の特急料金のみ、−530円。在来線区間には適用しない。
※早い話、在来線区間「東北新幹線にまたがって利用する場合の特急料金」は、手を付けずそのままの額を適用する。

・グリーン料金は、全区間同一方向(上り→上り、下り→下り)の場合に、全区間通しの料金を適用。方向が異なるときは福島又は盛岡で分割して計算する(例:新青森-福島-米沢)。

・「つばさ号」は「やまびこ号・はやて号」と同一特急料金。「こまち号」は「はやぶさ号」と同一特急料金で、より高額。差額計算させる問題も出る。

・払戻しは、全区間1枚の特急券とみなす。

2.通過連絡運輸
運賃計算(前回ブログ参照)だけでなく、料金にも適用されます。会社線区間の前後の営業キロを通算して、JRの特急料金を計算します(必ず営業キロを用いること)。会社線区間の料金は別途足し算します。
乗継割引も適用される場合は、JR区間の特急料金のみ割引します。

3.新幹線特急料金の計算
総合試験の花形?といっていいほど、毎年出題されています。次項の2社にまたがる場合との複合問題がよく問われます。

①「のぞみ・みずほ」と「ひかり・こだま・さくら」を乗り継ぐとき
特急料金の差額計算は大定番です。色々なパターンがあるので、過去問をさかのぼって復習してください。「のぞみ号」が自由席利用のときは、差額計算が生じないことにも注意。

②グランクラスAとグランクラスBを乗り継ぐとき
全区間にグランクラスA料金を適用します。

③グリーンとグランクラスを乗り継ぐとき
この場合も差額計算が必要になります。考え方は①と基本的に同じで、全区間のグリーン料金にグランクラス利用区間での差額を加算します。①がわかれば③も簡単です。

4.2社にまたがる新幹線
東海道・山陽新幹線区間を除いて、JR会社区間ごとに料金計算をします。ただし、区間により例外が多いので、個別に把握する必要があります。

・東北新幹線と北海道新幹線にまたがる場合、北陸新幹線で上越妙高を挟む場合
グランクラスを利用するときは、それぞれの会社区間の料金から1,050円を差し引く。

・山陽新幹線と九州新幹線にまたがる場合(東海道新幹線にはまたがらない)
九州新幹線の特急料金から530円を差し引きます(余り出題されていません)
グリーン料金は全区間通しになりません。

・東海道新幹線、山陽新幹線と九州新幹線にまたがる場合
上記と異なり、九州新幹線の特急料金は、通常の料金を単純に足し算するだけです。530円は引きません。東海道・山陽新幹線区間は通し料金を適用しますが、差額計算が生じることが多いです。

5.その他
過去には、在来線特急列車の通し料金計算、座席未指定券の取扱いなど、国内試験では出されないテーマが問われています。ただし、頻度は低いものです。
特例ルール以外では、乗継割引の行程問題が毎年の定番で、ほぼ国内試験と同じです。これは確実にクリアしたいテーマです。過去問をしっかりやっておきましょう。
また、総合試験独自のテーマとして、時刻表の読み取り問題が出題されます。これも過去問で見慣れておきましょう。