旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

時差計算のポイント(1)

今回は、時差計算です。JRや国際運賃と同様に計算問題の一分野といえますが、これほど単純で、かつ間違いやすく、しかも役に立つ知識はなかなかありません。受講生の皆さんからのご質問でも、上位に入ります。

時差計算は、いったんコツを覚えてしまえば、確実に得点できます。例年は2問(10点)出題されていますので、大きな得点源となるので、ぜひ得意分野にしましょう。

1.時差計算の注意点

①プラスマイナスでケアレスミスが生じやすい
国名の見まちがい、DSTの見落しなど、計算ミスの原因は色々ありますが、最も多いのはプラスマイナスの誤りです。基本は、「GMTとの時差の大きい数字から小さい数字を引く」ことで2都市間の時差を算出します。しかし、現地時刻を算出する際に、ついプラスマイナスを間違えやすいものです。わかっているのにやってしまった「うっかりミス」ほど悔しいものはありません。

*小さい数字から大きい数字を引いても計算はできますが、答がマイナスになり、時刻算出の際にうっかりミスを引き起こす原因となりかねません。

②地理の知識も大切
問題は、国名ではなく都市名で出されます。都市名と属する国名がわかればいいのですが、首都以外の都市もよく出されます。地理の知識が重要になってきます。

③複数の時間帯を持つ国は、主要都市の時差を覚えておく
米国、オーストラリアの都市は出題頻度が極めて高くなっています。しかし、International Time Calculator(以下ITC)を見ても、州・地域単位の時差しか掲載されておらず、個々の都市名は明記されていません。そのため、主要都市の時差はあらかじめ覚えておきましょう。
例)ニューヨーク、ワシントン、ボストンetc…Eastern Time
  ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルetc…Pacific Time
  シドニー…NSW(New South Wales)、ケアンズ…Queensland

④1国1時間帯の国々
これは迷うことは少ないですが、日本で一般に呼ばれている国名とITCの英語表記では異なるものがあります。このような国は探すのに慌てることがないよう、正式国名を覚えておきましょう。
例)英国=United Kingdom、オランダ=Netherland、ドイツ=Germany、ギリシャ=Greeceなど

⑤ヨーロッパの国々
大半の国が1国1時間帯なのでわかりやすいですが、更に次のことを覚えておくとITCを見る必要がなく、早くて便利です。
・DST期間は、EU加盟国は各国同一。非加盟国でも一部を除きEU加盟国と同一。
・英国、ポルトガルはGMT、大陸側はスペイン以東スウェーデン、ドイツ、チェコ、オーストリア以西の国々はGMT+1、フィンランド、ポーランド、ハンガリー、ギリシャはGMT+2。DSTの時期は各国+1時間。

⑥日本
日本は、全土がGMT+9でDSTなし。ITCを見るまでもなく、絶対必須の暗記事項。

次回は、2都市間の時差と飛行所要時間についてお話します。