旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

総合試験直前のヒント(4)-「国際航空運賃あれやこれや」

●国際航空運賃は「読解力テスト」
いよいよ試験も近づいてきました。
今回も、皆さんからご質問が多かったテーマを取り上げます。

今回は国際運賃のOFCタリフの各規則です。
特に特別運賃タリフは細かい字でびっしり書かれていますので、
見た目もウンザリしますね。この読み取りについては、多くのご質問を頂いています。

規則表の中には、正解のための貴重なヒントが埋まっています。
答えそのものがずばり書かれていることもあります。
しかし、試験時間中にゆっくり熟読している暇はありません。

規則表のどこを見れば知りたいことが書いてあるか、
その意味は何か、即座に判断することが解答時間の短縮になります。
問題を解いていれば自然に読み取りが早くなりますが、
直前期は特に意識して読解力を鍛えましょう。

●シーズナリティ
運賃により、シーズナリティが適用されるものと適用されないものがあります。
シーズナリティが適用される場合、運賃と方面により、
①往路の国際線出発日を基準として全旅程に適用されるものと、
②往路・復路の国際線搭乗日ごとに適用するものがあります。

このことは「適用運賃」欄に書かれていますが、
シーズナリティの有無は運賃表でもわかりますし、
②は、運賃表が往路用と復路用に分かれていますので、すぐに気付きます。

●発券期限
JLのSaver運賃、NHのValue運賃の一部には、「予約・発券」欄に、
発券期限について「予約完了後○日(△時間)以内、
ただし最初の国際線搭乗日の×日前まで」
という規則があります。
では具体的に、何月何日までに発券しなければならないか、
発券期限を問う問題が大定番です。

試験では、「最初の国際線搭乗日の×日前」
正解となることが多いですが、日数の数えかたは慎重に。

●土曜滞在条件
現在のところ、NHのValue V/W/S運賃にのみ設定されている規則です。
この運賃は、目的地で必ず土曜の滞在(宿泊すること)を含まなければなりません。
「必要旅行日数」に明記されますが、これはあらかじめ覚えておきましょう。
●運賃の割り増し
「運賃計算例外規定」欄で、マイレージ計算が必要かどうか確認します。
資料の中にexcess mileage surcharge表があるときは、
どれかの問題で必ず運賃が割り増しとなる行程が出ます。
割増率は手計算になりますが、表を見なくても算出できるようになりましょう。
問題によっては、割り増しの有無がわかればよく、
計算をしなくてもよいことがあります。

●HIPチェック
同じく「運賃計算例外規定」欄で確認します。この欄に「なし」とあれば、
マイレージ計算もHIPチェックも必要です。また、マイレージ計算が必要でも
、HIPチェックは行わない運賃もあります。

資料にはHIPチェックのルールを記載していることがありますが、
それを読まなくてもわかるように、しっかりとルールを覚えておきましょう。

●途中降機
ここは回数・料金を確認するだけなので、難しくないと思います。
ただし、サーフィスセクターが含まれるときの数えかたに注意してください。

●結合運賃
運賃の結合問題は、「結合運賃」欄で予約コードを確認します。
また、予約コードは「予約・発券」欄で確かめます。
ここは確認ミスのないように、慎重に読み取ります。

運賃を結合した際の規則の適用も要注意です(テキストP.75)。
特に予約・発券期限や最長旅行期間、変更・取消しなどで、
どの運賃の規則が適用されるか、よく確認しましょう。

●最安運賃
最安運賃の選択は、規則表と運賃表をよく理解した、
最も応用力が問われる問題です。
この場では紙面の都合上、詳細な解説はできませんが、
面倒なようでも近道の解きかたはあります。
テキストや再現問題集の解説で、ぜひコツをつかんでください。

●その他
specified routingsは計算が単純になりますし、
適用ルールも資料で親切に記載されますので、
出されてほしい例外です(試験で、こういうありがたい例外はなかなかありません)。

・国内地方都市から出発する場合の国内add on運賃は、
単純に1/2の額を足すだけです(式は(往復運賃+add on運賃)×1/2)。

これも簡単! ただし、国内区間がある場合は、
最初の出発日(国内-国内区間)と国際線搭乗日が異なることがあります。
シーズナリティとW/Xが変わるおそれがありますので、
ケアレスミスに注意してください。
特定便加算額ハワイ(ホノルル)サーチャージも単純に加算するだけです。
見落とさないようにしましょう。