旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

総合旅行業務取扱管理者試験実施結果の分析

10月の国内旅行業務取扱管理者試験の合格発表に続いて、11月20日には令和2年度の総合旅行業務取扱管理者試験(10月11日実施)の合格発表がありましたので、実施結果を分析してみます。試験直後に公開した講評もご参照下さい。

なお、昨年度の試験は、台風19号の影響により東京会場と宮城会場は試験を延期し、3月に再試験を実施する予定でしたが、コロナ禍により再試験も中止のやむなきに至りました。例年、東京会場は受験者数と合格者数が最大であり、かつ、合格率も全国トップクラスです。昨年度試験はこのデータが含まれず、本年度とは厳密な意味での比較はできませんが、可能な範囲で比べてみます。

本年度の受験申込者総数は11,918名で、このうち試験区分A(全科目受験者)は5,196名、試験区分E(国内旅行業務取扱管理者有資格者)受験者は3,349名でした。全受験者の合格率は40.7%であり、全科目受験者は同18.5%、科目免除(E)受験者は同38.6%で、いずれも一昨年までの結果と比較すると大きく伸びています。

ちなみに、昨年度の全科目受験者の合格率は13.0%でしたが、前述のように宮城・東京会場が試験中止となったため、正確な比較はできません。しかし、本年度の結果から中止2会場を除いた試験地の結果では合格率が14.6%となりますので、やはりプラスになっています。今年の海外旅行実務ではマイナーな問題が目立ったため、合格率を危惧していたのですが、大健闘の結果だと思います。

科目免除(E)について、同じように宮城・東京会場の結果を除くと、合格率は32.4%であり、やはり昨年度の30.4%を上回りました。

試験地別の合格率では、北海道会場と東京会場が20%以上となりました。

職業別では、旅行関連業、会社員(旅行業を除く)、自営業の方が平均合格率を超えています。また、年齢別では概ね24歳以上の方が平均合格率を上回りました。このあたりは、国内旅行業務取扱管理者試験とよく傾向が似ています。

昨年度の試験で不合格とはなりましたが、実務科目で科目合格し、免除受験された方もおられると思います。このうち海外旅行実務が免除の方(受験区分B:法令・約款・国内旅行実務の3科目受験)の合格率は49.8%と、受験区分E(2科目受験)を大きく上回りました。一方、国内旅行実務免除の方(受験区分C:法令・約款・海外旅行実務の3科目受験)の合格率は9.9%で、予想外の大きな差です。例年も試験区分Bの方が上回るのですが、本年の国内旅行実務と海外旅行実務の難易度には、ここまで大きな違いはないと思いますので、不可思議な結果となりました。