JRの時刻表をお読みになったことはありますか？駅の改札口やホームに掲げられているものではなく、本屋さんで旅行書コーナーなどに積まれている冊子です。
現在出版されている代表的なものには、JTBとJRが発行しているB5サイズの大型時刻表があります。以前はもっと種類が多くありました。昔は「旅のバイブル」とも呼ばれ、私も若い頃は、ザックに大型の時刻表を１冊入れて列車旅をしたものです。
かつてJTB時刻表は、最盛期には200万部を超える、「隠れたベストセラー」といわれた書籍でした。現在では、約20分の1の10万部程度にまで減少しています。インターネットの普及で、手軽に時刻や路線検索ができるようになりましたので、これも世相ですね。私も、日頃は時刻表検索アプリを愛用している一人です。
それでも、冊子時刻表ならではの便利さは今でも失われていません。今回は、試験勉強にからめて、冊子時刻表の活用法をご紹介します。お手元に時刻表があれば、開きながらお読みください。お持ちでない方は、この機会に本屋さんで1冊買ってきましょう。おすすめは、上に書いた大型時刻表です。JTB、JRどちらでも大差はありませんが、試験対策となるとJR時刻表（交通新聞社発行）がよろしいでしょう。定価1,375円です。ケチって小さい時刻表を買ってはダメですよ！以下、JR時刻表にしたがって解説します。
第１回は、試験勉強での生かし方編（その１）です。
１．時刻表の記号
表紙を開くと巻頭特集のカラーページが数ページあり、その次に「時刻表の上手な使い方」というページがあります。ここに掲載されている本文の読み方や、さまざまな記号の意味が、総合試験ではよく問われています。特に、指定席の種類にご注意下さい。普通列車は基本的に全車両が自由席ですが、特急列車と一部の快速列車には指定席が用意されています。グリーン車にも指定席と自由席がありますが、試験ではグリーン車指定席が問われています。また、最上級の座席であるグランクラスにも2種類あることに注意しましょう。寝台も何種類かあるのですが、最近は問われることが少なくなりました。
また、列車の運行関連の記号では、「レ」と「‖」の違いや、直通・分割・併結を表わすカギ矢印記号も重要です。
この他、指定席特急料金はシーズンにより異なることにもご注意下さい。国家試験でも、特に重要なテーマとなっています。
２．本文
時刻表全体の大半を占める、無色のページです（JR時刻表では2色刷りになっています）。総合試験では、この本文の読み取りが毎年出題されています。
どのページでもかまわないので開いていただくと、縦方向に数字がずらりと連なっています。これは、上から下へ進行する列車の発着時刻を表わしています。1ページ当り、最大30本ほどの列車が掲載されており、おおむね出発時刻順に左から右へと並んでいます。また、「‥」は空白（列車が走っていない）を表わします。
最上段には、特急列車や一部の快速列車の愛称名が記載されています。ほとんどの各駅停車は名前がありませんので、「123M」とか「456D」とか列車番号で呼びます。
ページの左には駅名が記載されています。また、ページによっては駅名の右に数字がありますが、これは起点駅からのキロ数を表示しています。中にはもう1列、妙なキロ数が並んでいることがありますが、これは後日の国内運賃料金講義で学んでください。
今回はここまでとして、次回から試験対策としての時刻表の読み方を解説します。
