旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

今回から、ちょっとお得な運賃の計算方法をご紹介しましょう。実際の旅行で使えるおトクな裏技です。ただし、国家試験では不正解となってしまいます。決して不正乗車などではありませんが、一ひねりを加えるために、「正攻法ルール」で計算させる国家試験では間違いとなるので、絶対に使わないでください^_^

1.学割が使える? 使えない?

〈問1〉学生が、小田原-静岡間(幹線:営業キロ96.3キロ)の片道旅行をする場合、運賃に学割は適用できるか?

国家試験での正解

割引はできない。学割は、営業キロで100キロを超えて利用する場合に適用される。よって、無割引の普通運賃1,690円が適用される。←試験では、このように解答しないとダメ。

裏技正解

割引できる(できるようにしてしまう)。静岡の1駅先の安倍川までキップを買う。このため小田原-安倍川間は営業キロ100.6キロとなり、割引条件を満たす。この区間の普通運賃は1,980円。1,980円×0.8=1,584円→1,580円となり、110円トク。お茶が1本買える。

*静岡では途中下車のかたちになります。

*静岡-安倍川間は前途放棄。払戻しもできません。

〈問2〉前問の応用例。学生が、鍋島-長崎間(幹線:営業キロ97.3キロ)の片道旅行をする場合、運賃に学割は適用できるか? なお、長崎は終着駅なので、1駅先まで切符が買えない。

国家試験での正解

問1と同じ理由で割引はできない。よって、無割引の普通運賃1,850円(九州内)が適用される。ダメなものはダメ!

裏技正解

鍋島の1駅手前の佐賀から長崎までキップを買う。佐賀-長崎間は営業キロ100.3キロで、割引条件を満たす。この区間の普通運賃は2,170円。2,170円×0.8=1,736円→1,730円となり、120円トク。これもお茶1本。

*鍋島では途中から乗車するかたちになります。

*割引が適用されるキロ数にわずかに足りない場合、先の駅か手前の駅までキロ数を伸ばすことにより、割引を適用することができます。

次回もおトクな裏技です。