旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

皆さんこんにちは! 専任講師の相馬です。
第1回目のブログをお届けします。これからもよろしくお願いいたします。

さて、国内管理者の試験日が刻々と近づいてきました。ご準備はいかがでしょうか?
今回は、皆さんからご質問が多いテーマについてお話します。

◎「530円±200円」
さて、これは何でしょう?
JR運賃料金の学習が一通り終わった人なら、「ははあ、アレだな」と気付かれると思います。
その通り、530円とは、グリーン車や自由席を利用したときに、特急料金から差し引かれる金額です。
また、200円とは、繁忙期・閑散期に特急の普通車指定席を利用するときにプラスマイナスされる金額です。
この2つの取り扱いについて、ご質問がたいへん多く寄せられています。今回は、このお話です。
簡単な行程例を見ながら解説します。

【行程例】繁忙期
*料金額はわかりやすい数字にしています。ただしグリーン料金は省略します。
*全区間が東海道・山陽新幹線区間。B駅では新幹線の改札を出場しません。
A駅 -(ひかり号グリーン利用)- B駅 -(こだま号普通車指定席利用)- C駅
・ひかり号・こだま号通常期普通車指定席特急料金
A駅-B駅:4,000円  B駅-C駅:2,000円  A駅-C駅:5,000円

【解説】
新幹線相互を、乗り継ぎ駅で改札を出場せず乗り継ぐときは、原則として全区間通しの特急料金が適用されます。
この行程では、A駅〜C駅間に5,000円の通し料金が適用されます(ただし、これは最終的な料金ではありません)。
行程例のように、前後の新幹線で異なる座席を利用する場合、全区間通しの特急料金は、より上級の座席を利用したときに適用される特急料金が適用されます。
よって本問では、「グリーン車を利用した場合の特急料金」、すなわち、通常期普通車指定席特急料金から530円を差し引いた額が全区間に適用されます。
また、閑散期・繁忙期に適用される±200円は、「普通車指定席」を利用した場合にのみ適用されるもので、この行程では適用されません。
よって、5,000円-530円=4,470円が、この行程の正しい特急料金の計算式となります(このほか、A駅-B駅間のグリーン料金が必要です)。
グリーン利用時の特急料金が適用されるため、繁忙期であっても200円を加算しないことに注意してください。

【計算式問題は「間違い探し」】
本問のパターンは頻出のテーマです。誤りの選択肢では、以下が典型的な例です。
5,000円-530円+200円=4,670円
計算式中の「-530円+200円」が典型的な誤りのパターンです。1つの特急料金に、530円と200円を重ねて計算することはありません
ぜひこの誤りのパターンを、「目」で覚えておいてください。これが見つかったら、その選択肢は即「×」です。
計算式問題は、計算能力よりも読解力です。問題集で、正しい計算式と誤りの計算式を見比べ、どこが違うのか、間違い探しをして眼力を鍛えましょう。
もう一つ例をあげると、閑散期の乗継割引計算の式で、特急料金×1/2-200円とあった場合も典型的な間違いパターンです。
正しくは、(特急料金-200円)×1/2です。必ず200円を先に計算してから半額にします。530円を引くときも、(特急料金-530円)×1/2が正しい形です。
例にあげた行程はシンプルな形ですが、部分的に「のぞみ・みずほ号」を利用すると、差額の計算が生じてきます。
また、自由席を含む行程もあります。しかし基本的な前提は上記の例と変わりませんので、いろいろな応用例を問題集等で解いてみてください。


※試験日・試験会場の変更案内に注意してください。

国内管理者試験の東京・埼玉・大阪の試験会場が追加されています。
【重要】令和2年度 国内旅行業務取扱管理者試験における試験会場の変更等(埼玉県・東京都・大阪府)について
また、試験当日のコロナ対策についても掲示されています。

今後も追加・変更が考えられますので、旅行業協会のホームページを随時ご確認下さい。
【重要】令和2年度国内旅行業務取扱管理者試験の実施に伴う新型コロナウイルス感染拡大防止対策等について
試験日が近づいたら、必ず旅行業協会のホームページを確認しましょう(受験票での案内以外は、受験者へ直接の通知はないようです)。
落ち着いて、本番の日を迎えてください。