通関士講座の講師ブログ

“TPP”ってなに?

みなさん、こんにちは。
講師の神田です。

昨年末頃から、「TPPに日本は加入すべきか否か」といった報道が目立つようになっています。

TPPとは、「環太平洋戦略的経済連携協定(Trans Pacific Partnership)」の略称です。
ざっくり言うと、太平洋周辺の広い地域の国、例えば日本、中国、東南アジア諸国、オセアニア諸国、アメリカなどが参加して、自由貿易圏を作ろうという構想です。

TPPは2006年5月にチリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイの4ヶ国で発効したのが始まりです。当時はまだ、大国と言える国は不参加でした。
しかしその後、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムの4ヶ国が参加の意思を表明し、交渉を開始しています。つい最近になって、マレーシアも参加の意思を表明しました。これらの国が全て参加すれば、TPPは9ヶ国の自由貿易圏になります。

TPP加盟については、日本国内の政治家や財界人も、賛成・反対で意見が分かれています。
例えば経団連会長は、「TPPに参加しないと日本は世界の孤児になる」と述べ、日本の参加に対して強い支持を表明しています。
一方、日本のTPPへの参加に対しては反対の姿勢を続けると主張する政党もあります。

日本がTPPに加盟して、予想通りに他国からの安い農産物などが入ってくれば、消費者としては安い食べ物が買えてメリットが大きいかもしれません。
しかし、それによって国内の農家の廃業が増加し、日本の食糧自給率が下がっていく可能性もあります。そうなったら、喜んでばかりはいられなくなります。

みなさんの考えも様々かと思います。
一連の報道や情報を整理し、思いをめぐらしてみるのも大切かもしれません。