みなさん、こんにちは。
講師の神田です。
2012年8月中旬の報道によると、日本政府は、
アルゼンチンの輸入制限措置で、大きな損害を受けているとして、
WTO(世界貿易機関)に提訴したとのことです。
アルゼンチンの市場は、南米ではブラジルに続く規模で、
日本からは、主に自動車や関連部品が輸出されています。
しかし、ここ数年の世界的な景気後退で、
アルゼンチン政府は工業製品など600品目の輸入を許可制にするなど、
保護主義的な措置を次々講じているということです。
日本政府とアメリカ政府は、こうした措置が輸入規制を禁じる
GATT(関税・貿易に関する一般協定)11条に違反すると判断し、
アルゼンチン政府をWTOに提訴しました。
協議が不調に終わった場合、
裁判にあたる紛争処理委員会で争われることになります。
通関士試験で直接問われるものではありませんが、
貿易をとりまく状況の理解として認識しておくと良いと思います。