通関士講座の講師ブログ

不当廉売関税の発動

みなさん、こんにちは。
講師の神田です。

政府は、中国から輸入している
ポリウレタンの材料「トルエンジイソシアナート」(TDI)に、
関税を上乗せする「不当廉売関税」を課すこととなりました。

輸入の際の課税価格が不当に安く、
国内メーカーの打撃が大きいことが主因です。

関税・外国為替等審議会(財務相の諮問機関)が12月12日、
不当廉売関税を適用すべきと麻生財務相に答申しました。
その後、閣議了解しました。

中国産TDIにかかる関税は現在ゼロですが、
閣議了解から4か月間は69・4%となります。

TDIは自動車の座席のクッション材や寝具などに使われています。
中国からの輸入は2010年度はほとんどありませんでしたが、
12年度に1万4000トンへ急増し、
たとえば、三井化学社は工場閉鎖に追い込まれました。

不当廉売関税は、南アフリカなど4か国から輸入した
乾電池材料「二酸化マンガン」が対象となった
2008年以来となります。