通関士講座の講師ブログ

輸出入申告の24時間化の影響

みなさん、こんにちは。
講師の神田です。

2014年10月からスタートした「輸出入申告の24時間化」。
夜間や休日などの税関の開庁時間外にNACCSを通じて行われた輸出入申告について
審査区分が通知され、「区分1」(簡易審査扱い)となったものは
開庁時間外でも許可となる取り扱いが可能となりました。

しかし、夜間や休日はコンテナターミナルのゲートが開いていないため、
通関が許可になってもコンテナの搬入や引き取りは行えないという問題もあります。

財務省関税局によると実際には深夜の輸出入申告は少なく、
開庁時間の前後1~2時間といった開庁時間から
少しずれた時間帯での時間外申告が多いようです。

従来は開庁時間内に集中していた申告の受理の
平準化にもつながっている側面もあるとのことです。

なお、ゲートオープン時間の延長については
海上コンテナ輸送業者からのニーズも強いようです。

ただ、「24時間化」というよりは、
各ターミナルのコンテナの搬出入量や処理能力に合わせた
ゲートオープン時間の柔軟化を希望する声が多いのが現状です。

一律の「午前8時30分~午後4時30分」のゲートオープン時間を改め、
個々のターミナルが実際にゲート搬出入に要する時間にゲートをオープンすれば、
一定の時間帯のゲート到着時間の集中が緩和されると見込まれます。

IT技術の恩恵が、目に見える形で表れてきている一方で、
よりよく改善する工夫は、つねに求められますね。