通関士講座の講師ブログ

ウナギ貿易規制 見送り

みなさん、こんにちは。
講師の神田です。

絶滅が危惧されているニホンウナギについて、
野生動植物の貿易を規制する今年9月の国際会議での議論は
回避される見込みです。
貿易規制の対象にウナギを加える提案を検討していた欧州連合(EU)が
見送りを決めたためです。

同9月に南アフリカで開かれるワシントン条約締約国会議に向け、
各国・地域は輸出入を規制すべきと考える品目を本部に
届け出る必要があります。
5月27日(現地時間)が提出期限でしたが、EUは提案を見送りました。

ニホンウナギの国内流通量は乱獲などで
約15年前の4分の1に減少しています。
主な養殖地である日本、中国、韓国、台湾の
4カ国・地域は2015年から法的拘束力のある条約づくりを進めています。
EUもこうした取り組みに一定の理解を示したと推測できます。

ただ、約3年後には次回のワシントン条約締約国会議が開かれます。
条約づくりが難航するなど資源の管理体制が不十分とみられれば、
規制に向けた議論再燃の可能性も残っています。
そのため、予断を許さない状況は継続中です。

「天然うなぎの蒲焼」を手軽に楽しめるか否か、とても気になる話題です。