通関士講座の講師ブログ

中国、貿易総額の低下

みなさん、こんにちは。
講師の神田です。

拡大を続けてきた中国の貿易が低調のようです。
2016年の貿易統計によると、ドルベースの輸出、輸入ともに前年水準を下回り、
貿易総額が2年連続で減りました(中国税関総署1月発表)。

中国は輸出拠点としてのかつての競争力が低下しているとともに、
米国に対する貿易黒字が高水準で推移し、
トランプ米政権とのあつれきが増す恐れがあります。
米中間の貿易摩擦が強まれば、世界経済全体に悪影響があります。

輸出は前年比7.7%減の2兆974億ドル(約240兆円)でした。
主な輸出先である米国、欧州連合(EU)、日本が前年割れだったことが
大きく響きました。
商品別では、主力の携帯電話やパソコンなど電気製品に加え、
中国が得意としてきた衣服も前年を下回りました。

人件費や地価の上昇を背景に、部品を海外から調達し、
中国で組み立てて輸出する加工貿易の足元が揺らいでいます。

中国の報道官は1月の記者会見で「労働集約型の中国製品は昨年、
欧州、米国、日本で市場占有率(シェア)を落とし、
東南アジア製品のシェアが上がった」と語りました。

中国の景気が悪化することで、世界経済は大きく変化しそうですね。