よく「学問に王道なし」と言われますが、
そのエピソードはあまり知られていませんので
ご紹介したいと思います。
古代エジプトでは、ナイル川が季節的に氾濫して何もかも押し流してしまいました。
そのたびに、田畑やその他の土地の境界線を測量して、
きちんと元どおりにしなければなりませんでした。
その必要から、いわゆる幾何学が生まれたと言われます。
幾何学を学問的な体系にまとめ上げたのが、
ギリシアの数学者ユーグリット。
紀元前367年から283年の人です。
ユーグリットは、当時のエジプト王プトレマイオス一世の家庭教師として、
幾何学の講義をしていました。
王は、その難解さと膨大な量にすっかり辟易して、
「幾何学をもっとてっとり早く学ぶ方法はないか」と尋ねました。
ユーグリットの著書「幾何学原本」は全13巻からなり、
大変分厚い教科書でしたので無理もありません。
王の質問に、ユーグリッドは。「幾何学に王道はありません」と答えました。
このエピソードから、王道は早道の意味となり、
「学問に王道なし」という言葉が生まれたのです。