5月下旬、親父が永眠しました。88歳でした。
小学校しか卒業しておらず、浴衣職人をやっていました。
子供の頃、親父の職場に行った記憶があります。かなり稼ぎはよかったようです。
しかし、国内の浴衣産業が次々と廃業し、ついには、退職しました。
その後、いろいろな職業に転職するも、すべて長続きせず、いつも失業状態でした。
家でいつも酒を飲んでいました。
機嫌が悪くなるといつも殴られていました。親父とのいい思い出はほとんどありません。
家は超貧乏で、4畳半と6畳しかない三軒長屋の真ん中に住んでいました。
お風呂はありませんでした。
生計は母親の内職で立てていました。私も高校1年生からアルバイトをしていました。
こんな親父から学んだことは次の3つです。
・きちんとした学歴がないとまともな職業につけない
・きちんと働くことは大切なことである。
・お酒におぼれてはいけない。
親父を反面教師として、ここまで生きてきました。
親父とのいい思い出はほとんどないにもかかわらず、最近、親父と市場に行ったことを鮮明に思い出します。
親父は市場に行くのが好きで、その際、よく私を連れて行ってくれました。
機嫌がいいと市場の中のうどん屋でラーメンをごちそうしてくれました。
その際の親父がつないでくれた手の温もりとラーメンの味を昨日のことのように思い出すのです。
今まで親父を恨んで生きてきましたが、本当は大好きだったのかもしれません。