第148回日商簿記検定試験 講評

試験講評

第148回日商簿記検定試験 講評

2018/02/26

2月25日(日)に実施されました、第148回日商簿記検定試験の講評を公開させていただきます。

3級講評

全体

いくつか初めての言い回しになっている部分、初めて出題される形式の問題がありましたが、多くの配点を占める第3問・第5問についてはオーソドックスな取引がほとんどであり、過去問中心に勉強してきた方にとっては比較的取り組みやすい問題であったと思います。

第1問

売掛金と買掛金の相殺の問題が出題されました。おそらく初めての出題だったと思います。「こんな問題みたことないよ!」と思ったかもしれませんが、仙台商店に対する売掛金と買掛金が同時にあって(仙台商店は仕入先であると同時に、販売先でもあるという設定ということになりますね)、それを相殺して不足分を支払ったという単純な取引です。落ち着いて問題文を読んで取引を把握したいところですね。

手形の裏書譲渡による仕入れ、有価証券の購入、土地の購入の問題については確実に得点したいところであり(手数料を含めて処理する点に注意)、16点程度は欲しいですね。

第2問

店主による引出に関する問題です。基本的には過去問でも複数回出題されている問題ですが、新しい論点であるICカードの使用が絡めてあり、過去問題集を中心に学習していたとしても、少し手強かったかもしれません。

・ICカードの使用の一部が店主個人の私用であったこと
(借)引出金  2,000 (貸)仮払金  2,000
・仕入れた商品を自家消費したこと
(借)引出金 80,000 (貸)仕 入 80,000
という仕訳が必要ですが、少し難しかったでしょうか。そのため4~6点程度の得点が精一杯でしょうか。

第3問

とてもベーシックな取引だけで構成された試算表作成の問題です。第2問でちょっと面食らって時間を消費してしまったとしても、第3問で挽回できたと思います。重複する取引もない最も典型的な試算表作成の問題であり、24~27点程度は欲しいところですね。

第4問

第144回に続き2回目の出題となった伝票集計の問題です。基本的には試算表作成の問題と同じですから、第3問・第4問が同じような問題になり、得点のしやすさという面ではよかったですね。仕訳日計表作成部分は確実に得点したいところであり、8点程度欲しいですね。

第5問

財務諸表作成の問題でした。ほとんどの決算整理事項は、過去問で見たことのあるような事項だったと思いますが、備品について、「耐用年数を迎えたが、来年度も使用し続ける予定であるから、試算表の金額をそのまま貸借対照表へ記載しなさい」という初めてのケースが出題されていました。問題文を落ち着いて読めば、問題文の試算表に書かれた金額をそっくりそのまま貸借対照表に写すだけでいいという指示になっているのですが、その前に書いてある「来年度も使用し続ける」という点で焦ってしまった方がいらっしゃるかもしれません。

第2問もそうでしたが、初めての言い回しを出して焦らされてしまう箇所がありました。その部分以外はいたってオーソドックスな問題であり、24~27点程度は欲しいところです。


日頃、過去問中心に練習している方にとってみれば、上記であげた得点(76~84点)は十分可能なラインでしょう。合格率も前回と同じくらいになるものと予想されます。合格発表が楽しみですね。


2級講評

全体

とうとう連結の全体処理が出題されてしまいました。その分、第2問(有価証券に関する一連の処理)・第4問(個別原価計算)・第5問(組別総合原価計算)の難易度が低めで、全体としてのバランスがとられていたと思います。平均的な30~35%くらいの合格率となるでしょうか。

第1問

純資産の部の項目の振替に関する問題が出題されました。「その他資本剰余金」を「資本準備金」に振り替えて、「繰越利益剰余金」を「利益準備金」に振り替える処理、つまり、配当可能な「その他資本剰余金」・「繰越利益剰余金」を、配当不能な「資本準備金」「利益準備金」にする処理であり、財務基盤を強固にするためになされる会計操作です。具体的な取引をイメージすることが難しいので解答をイメージすることが難しかったかもしれませんが、処理自体は振替処理を行ってあげるだけです。

また、前回に引き続き為替予約の問題として出題されました。予約レートで換算しなおして、換算差額を「為替差損益」にできるかどうかがポイントです。残りの3問は以前からよく出題されている問題ですから、最低でも12点、できれば16点は得点したいところです。

第2問

売買目的有価証券・満期保有目的債券に関する一連の処理が問われました。

・売買目的有価証券:取得→決算(時価評価)
・満期保有目的債券:取得→決算(償却原価法)
という流れが分かっているかどうかがポイントですね。それぞれの有価証券のそれぞれのタイミングにおける処理はこれまでも第1問の頻出問題でしたので、比較的答えやすい問題だったと思います。1つ・2つミスがあったとしても、合計16~18点程度は欲しいところです。

第3問

とうとう出てしまいました! 連結の総合問題。連結は平成29年11月試験から試験範囲に入ったとても難しく新しい論点です。ですから、近いうちに総合問題の形で出題されることはなく、前回(第147回)試験の第2問での出題のような形が何回か繰り返されて、少しずつ出題量が増えるというパターンを、個人的には想像していましたが、その予測は見事に外れてしまいました。

今回の出題はテキストに出てくる基本問題レベルの出題でした。

・X0年3月の投資と資本の相殺消去を再現し、
・X1年3月ののれん償却・利益剰余金の処理を再現し、
・X2年3月ののれん償却・利益剰余金の処理を行い、
・X2年3月の取引・債権債務の相殺を行い、
・X2年3月の未実現利益の消去を行う
という流れです。

「のれん」、「のれん償却」、「買掛金」、「非支配株主持分」、「支払利息」あたりでの得点を狙っていく(未実現利益が絡むところは捨てる)というのが1つのやり方だったと思います。ですから、10点程度とれていれば、十分といったところです。

第4問

工業簿記は“ザ・典型”といってもいいような出題だったと思います。第4問は個別原価計算の問題であり、「プロジェクト番号」という用語が使われていますが、要するに「製造指図書」のことですね。また、「一部のプロジェクトではプログラミングを協力会社へ依頼している」ということですが、そのプロジェクト(製造指図書)を完成させるために、外注加工費(直接経費)がかかったということですね。

一部の用語が、現代の一部の産業にあわせて使い分けてありますが、典型的な計算が求められている点では変わりありません。ですから、16~18点ほど欲しいところです。

第5問

こちらも典型的な組別総合原価計算の問題です。加工費を直接作業時間に応じてA製品とB製品に配分し、進捗度に応じた減損費の配分にさえ注意すれば、比較的容易な問題の部類に入るでしょう。そのため、16~18点ほど欲しいところです。


上記の目安によれば、70~80点程度の得点ができたはずです。連結が出題されて難しく感じたかもしれませんが、第2問・第4問・第5問でバランスが取られていたと思います。
平均的な合格率に落ち着くと思います。

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