試験講評

試験講評

第151回日商簿記検定試験 講評

2019/02/25

平成31年02月24日(日)に実施されました、第151回日商簿記検定試験の講評を公開させていただきます。

3級講評

全体

いくつかの問題で、初めての言い回しになっている部分がありましたが、多くの配点を占める第3問・第5問についてはオーソドックスな取引がほとんどであり、過去問中心に勉強してきた方にとっては比較的取り組みやすい問題であったと思います。

第1問

1.(販売した商品の返品)、3.(土地・建物の購入)、5.(借入金の返済と利息の支払い)はテキストレベルの初歩的な取引でした。一方、2.と4.が少し難しかったでしょうか。  2.は中古車販売業が本業であるという点がポイントです。簿記では、本業で扱っているモノ・サービスを商品と呼びます。ですから、2.のように中古車販売業を営んでいる会社の場合、車両自体が商品となります。よって、2.での車両の購入は商品の仕入れとして処理しなければなりません。
 一方、4.について、立て替えたのは従業員であり当社ではなく、当社は未払いである点がポイントです。思わず立替金勘定を使ってしまわないように注意が必要となります。
 この問題では12~16点程度取りたいところですね。

第2問

主要簿と補助簿の区別について問う問題です。
勘定全体の増減を記録する総勘定元帳(主要簿)があり、その内訳・詳細を示す各種元帳(補助簿)があるという関係です。
総勘定元帳では「買掛金」を設けて、「買掛金」の総額を記録します。ただし、誰にいくら払わなければならないのかを明らかにしておく必要もありますから、「○○商店」を設ける仕入先元帳も同時に作成します。したがって、「買掛金」の内訳が「○○商店」です。その点を理解しているかどうかが本問でのポイントとなります。
第140回以来の出題で、久しぶりの出題ですので、もしかすると少し練習不足の方もいらっしゃったかもしれません。それでも6~8点は欲しいですね。

第3問

とてもベーシックな取引だけで構成された試算表作成の問題です。13日の「釣銭を用意するために手数料を支払った」取引が少し目新しい取引でしたでしょうか。ただ、取引自体は手数料の支払いですから、処理はとても簡単です。重複する取引もない最も典型的な試算表作成の問題であり、24~28点程度は欲しいところですね。

第4問

商品有高帳の作成と売上原価・次月繰越高の計算が問われています。
商品有高帳は在庫の数量とその仕入単価を明らかにするための帳簿であり、在庫の数量と在庫の単価に影響を与える取引を記入する点がポイントです。移動平均法で作成しますので、商品の仕入れのたびに単価を平均していきます。
商品有高帳ができればその払出欄が売上原価となり、売上総利益をきちんと計算することができます。
なお、次月繰越高だけ、先入先出法で計算しなければなりませんので上で作った商品有高帳を利用できません。ただ、先入先出法=先に仕入れた商品から先に売る=残りは後で仕入れた商品というように考えることができれば、月末に残っている20個は6/12に仕入れた@308の商品とわかるので、月末在庫は20個×@308=6,160とすぐに計算できます。
過去も頻出の問題であり、8~10点は欲しいですね。

第5問

とてもオーソドックスな決算整理で構成された財務諸表作成の問題でした。財務諸表作成の問題を難しく感じる方が多いようですが、精算表の作成と同じです。精算表作成の手順と同様に
 ① 一つ一つ決算整理事項を仕訳する
 ② ①を問題文に示された残高試算表の勘定に加減する
 ③ ②の計算結果を、資産・負債・純資産項目ならば貸借対照表へ、収益・費用項目ならば損益計算書へ記入する
という手順で進めればOKですね。
貸倒引当金、売上原価、減価償却、見越・繰延×2つについては、毎回出題される典型的な問題でしたので確実に得点したいところです。また、預金の預け入れ、現金過不足、仮受金の処理についても、テキストレベルの問題でしたので、正答したいところです。
一方、車両の売却に関する訂正仕訳は難しく、時間との都合で捨ててしまってもよかったかもしれません。
 以上より、24~27点程度欲しいですね。

日頃、過去問中心に練習している方にとってみれば、上記であげた得点(74~89点)は十分可能なラインでしょう。合格率は前回と同じくらいで40%台になるのはないかと予想されます。合格発表が楽しみですね。

2級講評

全体

第1問の中で初めての言い回しの問題が出題されたり、第3問で2つの子会社が出てきたりと、かなり難しく感じる問題でしたが、第2問・第4問・第5問は標準的な問題で取りこぼしのないようにする必要がある問題でした。第1問・第3問の対応に多くの時間が取られる問題であり、全体的な難易度の高い試験だったと思います。合格率はやや低めになるでしょう。

第1問

1.2.3.5.はテキストにも例題として出てくるレベルの取引なのですが、問題文の言い回しが独特で、テキストの例題と結びつけて考えることができなかった方もいらっしゃるかもしれません。
 1.では本支店間の取引の処理が問われています。テキストp.143の【ケース1】の応用ですが、「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」を使う場合には、「商品」勘定で処理していますので、1.の解答でも「商品」を使わなければなりません。三分法であれば「仕入」を使いますし、テキスト・問題集では三分法が前提でしたので、迷われた方がいらっしゃるかもしれません。
 2.は評価益の30%分を「繰延税金資産」に、評価益の70%分を「その他有価証券評価差額金」に記録できるかがポイントです。テキストp.94のままの問題ですから、多くの方が正解できたと思います。
 3.は「一定数量以上の商品を注文した顧客に対して、代金の0.5%分を免除する」のですから、割戻し(売上の取消)の問題ですね。割引と間違わないようにしなければなりません。テキスト・過去問ではこのような言い方がされたことはありませんでしたが、文章内容に応じて割戻しと判断する必要がありました。
 4.はかなり上級編の問題です。還付・追徴については、過去1度だけしか出題されたことのないかなりレア(上級)な問題でしたので、解答できなくても気にする必要はありません。
 5.は代金として手形を受け取った(営業外受取手形にする)点以外は標準的なレベルの売却の問題であり、確実に得点したいですね。

 以上より、できれば1.2.3.のうち2つと5.に解答できたとして12点程度欲しいところです。

第2問

株主資本等変動計算書を作成する問題でした。ここ数年で新たに試験範囲に含められるようになった項目ですが、すでに複数回の出題があり、かつ、毎回同様のオーソドックスな出題が続いていますから、多くの受験生の皆さんも対応ができていたのではないでしょうか。この問題で16点~18点は欲しいところです。

第3問

またもや第3問の決算の問題で連結の総合問題が出てしまいました!
   連結は平成29年11月試験から試験範囲に入ったとても難しく新しい論点です。ですから、第147回試験の第2問での出題のような形が何回か繰り返されて、少しずつ出題量が増えるというパターンを個人的には想像していましたが、新試験範囲に含められてから5回の試験中、2回で連結精算表を作成する問題が出題される事態となりました。

 第148回での出題はテキストに出てくる基本問題レベル(といってもかなり難しい)の出題でしたが、今回は子会社が2つもあり、かつ、連結4年目の解答を求めるという、おそらく、どの学校様でも押さえていらっしゃらないだろうレベルでの出題となってしまいました。そのため、完答はかなり難しいと思います。

 子会社が2つあるとはいえ、連結の作業を2回行えばいいだけです。

【S1社について】
・X0年3月の投資と資本の相殺消去を再現し、
・X1年~X3年ののれん償却・利益剰余金の処理を再現し、
・X4年3月ののれん償却・利益剰余金の処理を行い、
・X4年3月の取引・債権債務の相殺を行い、
・X4年3月の未実現利益の消去を行う
【S2社について】
・X3年3月の投資と資本の相殺消去を再現し、
・X4年3月ののれん償却・利益剰余金の処理を行い、
・X4年3月の取引・債権債務の相殺を行い、
・X4年3月の未実現利益の消去を行う
という流れです。

 「売掛金」、「のれん」、「未払金」、「役務収益」、「販売費及び一般管理費」あたりでの得点を狙っていく(未実現利益が絡むところは捨てる)というのが1つのやり方だったと思います。ですから、10点程度取れていれば、十分といったところです。

第4問

各部門の予定配賦率、製造部費、各部門の差異を計算させる問題です。
 各部門の予定配賦率(問1・問2)は問題にある[資料]1.を配賦表に見立てて配賦計算していくことで容易に求めることができるテキストレベルの問題であり、確実に得点したいです。
 予定配賦率が分かればそれに実際機械稼働時間を乗じれば各部門の予定配賦額が求められます(問3)。
 問3で求めた予定配賦額と問題文にある実際発生額の差額が差異です(問4・問5)。

 このように、第4問は問題の[資料]1.の配賦表を使って予定配賦率を計算し、そこから芋づる式に計算する典型的な問題であり、20点を目指したいところです。

第5問

第4問と同様、こちらも典型的な等級別原価計算の問題でした。
 等級別原価計算は
 ① 等級製品全部の完成品原価を求め、
 ② 各等級製品の生産量に等価係数を掛けた積数を求め、
 ③ ①を②(積数)の割合で按分します。

 ②の手順について、問1で表を書かせる点が少し目新しいですが、それ以外はテキストおよび過去問と全く同じレベルでの出題です。こちらも20点取りたいところです。

 上記の目安によれば、82点程度の得点ができたはずです。しかし、第3問に驚いてしまったりして、10点以上のケアレスミスが生じる可能性も否定できません。何とか70点以上取れているといいですね。

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