午後問題で選択できる表計算とは?基本情報技術者試験のポイント解説

更新日:2022年1月17日

午後問題で選択できる表計算とは?基本情報技術者試験のポイント解説

基本情報技術者試験の午後問題ではプログラミング言語問題が出題されます。プログラミング経験がない場合、このプログラミング言語問題が基本情報技術者試験の最大の難関となるでしょう。プログラミング未経験者であったとしても、基本情報技術者試験に合格できるレベルまで学習する必要があります。 その中で、比較的プログラミング未経験者でも取り掛かりやすいのが選択肢の一つである表計算問題です。この記事では、基本情報技術者試験における言語選択の助けになるように、表計算問題の特徴や用途などの基本事項や、表計算問題で頻出する関数などについて解説を行います。

目次

午後問題での選択問題とは

基本情報技術者試験の午後問題では、プログラミング問題としてC言語、Python、Java、アセンブラ、表計算から選択が可能となります。これらのうち、自身の経験や学習希望などに応じて好きな問題を選ぶことになります。

大きな考え方として、学校や実務でプログラミングの経験がある場合は、C言語やPython、Javaから選択することがおすすめとなります。また、コンピュータがどのような原理で動いているかを学びたい場合は、アセンブラの選択がおすすめです。 しかし、場合によっては実務でもプログラミングを利用する機会がないというケースもあると思います。そのような場合には、比較的プログラミング的要素の少ない表計算を選択するという方法もあります。

基本情報技術者試験の表計算とは

以下では、基本情報技術者試験における表計算について解説を行います。

表計算問題の概要

基本情報技術者試験における表計算では、いわゆるExcelに代表されるOfficeソフトを用いた計算・集計処理等の問題が出題されます。Excelの関数を利用して作表やデータ分析などを行った経験があれば、比較的取り組みやすい内容といえるでしょう。
もちろん、基本情報技術者試験は公的な試験であり、個別の企業の製品に関する問題は出題されません。よって、試験で出題される問題は、Excel等の機能を参考にしつつも、その関数名などには独自の名称がつけられています。ですので、Excelの経験があったとしても、基本情報技術者試験を受けるにあたっては一定の学習が必要となります。

表計算を選択するメリット

上述の通り、プログラミング経験がなく、今後もプログラミングを実施する予定がない場合、比較的プログラミング的な素養が必要ない表計算を選択するのがおすすめとなります。プログラミングが苦手だけれども、試験に合格する必要がある場合などにおいては、表計算がよい選択肢となるでしょう。 また、日常的に表計算を利用している場合は、これまでの経験を活かすことができる最良の選択肢となります。Excelを使いこなすためには検索や集計、条件分岐などの関数の利用が必要となりますが、これらに関する知識をすでに身につけていれば、大きなアドバンテージとなります。

表計算を選択するデメリット

表計算問題は比較的プログラミングスキルが必要ない分野ではありますが、それでもマクロをはじめとしたプログラミング的な要素は出題されるため、いずれにせよ関数の利用方法などのコンピュータ処理を行う上で必要となるプログラミング的な学習は必要となります。
日常的にExcelを利用しており、表計算に慣れているからといって全く勉強しないで試験を受験すると、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性もあるでしょう。

表計算で出題される主な関数

以下では、表計算問題で出題される主な関数を紹介します。

算術計算を行う関数

最も基本的な関数として、算術計算を行う関数が挙げられます。代表的な関数を以下に示します。これらは必ず必要となるものなので、最低限覚えておくべきでしょう。

関数名 概要 参考:Excel関数との対応関係
合計(セル範囲) 「セル範囲」内の合計を表示する sum関数
平均(セル範囲) 「セル範囲」内の平均値を表示する avg関数
最大(セル範囲) 「セル範囲」内で最大の値を表示する max関数
最小(セル範囲) 「セル範囲」内で最小の値を表示する min関数
剰余(値1,値2) 「値1」を「値2」で割った数値を求める mod関数
整数部(値) 小数を含む「値」を整数値にする int関数
切り捨て(値,桁位置) 「値」を「桁位置」によって切り捨てる rounddown関数
切り上げ(値,桁位置) 「値」を「桁位置」によって切り上げる roundup関数
四捨五入(値,桁位置) 「値」を「桁位置」によって四捨五入する round関数
乱数() 任意の乱数を発生させる rand関数

論理演算を行う関数

また、プログラミング的な要素として条件分岐や論理積、論理和などを行う関数も用意されています。これらも問題を解くうえでは必須となりますので、押さえておきましょう。

関数名 概要 参考:Excel関数との対応関係
IF(論理式,式1,式2) 「論理式」内の条件が真であれば「式1」を実施、偽であれば「式2」を実施する if関数
論理積(論理式1,論理式2,…) 「論理式1」、「論理式2」、・・・の論理積をとる
※論理積とは、すべての条件が真のときのみ真とする処理のこと
and関数
論理和(論理式1,論理式2,…) 「論理式1」、「論理式2」、・・・の論理和をとる
※論理和とは、いずれかの条件が真のとき全体を真とする処理のこと
or関数
否定(論理式) 「論理式」の否定をとる
※否定とは、論理式の真偽を入れ替えること
not関数

照合と検索を行う関数

表計算では、様々な表に集計された情報を参照することで、効率的な処理を実現します。例えば、商品コード表を参照することで、販売明細表にはコード番号を入力するだけで商品の詳細な情報を表示するような利用方法が可能です。以下では、照合と検索を行う主な関数を紹介します。

関数名 概要 参考:Excel関数との対応関係
垂直照合(式,セル範囲,列の位置) 「セル範囲」に指定した表を左上から左下に参照し、「式」と一致する行を探す。行が見つかれば、「列の位置」に指定した順番のデータを表示する。 vlookup関数
水平照合(式,セル範囲,行の位置) 「セル範囲」に指定した表を左上から右上に参照し、「式」と一致する列を探す。列が見つかれば、「行の位置」に指定した順番のデータを表示する。 hlookup関数
照合検索(式,セル範囲,抽出するセルの範囲) 「セル範囲」と「抽出するセル範囲」の大きさが一致していることを前提に、式に指定した値が「セル範囲」のどの位置に含まれているかをチェックしたうえで、同じ位置にある「抽出するセル範囲」のデータを表示する。 lookup関数
照合一致(式,セル範囲) 「セル範囲」の中で「式」に指定したデータが何番目に存在するかを出力する match関数
個数(セル範囲) 「セル範囲」に含まれるデータの個数を出力する count関数
条件付き合計(セル範囲,検索条件) 「セル範囲」に含まれるデータのうち、「検索条件」に合致するものの合計を出力する sumif関数
条件付き個数(セル範囲,検索条件) 「セル範囲」に含まれるデータのうち、「検索条件」に合致するものの個数を出力する countif関数

表計算を学習する上での重要キーワード

以下では、表計算を学習する上で押さえておくべきキーワードについて解説を行います。

相対参照・絶対参照

相対参照と絶対参照は、表計算問題を解くうえで必ず覚えておく必要がある概念です。 相対参照とは、セルの位置からみてどこを参照しているか示すものです。例えば、セルの位置がC3であり、相対参照先がE5であった場合に、C3セルからC5セルにデータをコピーした場合は、C5のセルの参照先はE7となります。つまり、セルの位置によって参照先のセルの位置が異なることになるのです。 一方で、絶対参照とはセルの位置がどこであったとしても、そのセルの位置から参照先のセルの位置は同じとなります。上述の例でいえば、C3からE5を絶対参照している場合に、C5にデータをコピーしたとしても、その参照先はE5から変わりません。

表計算では、絶対参照であることを明示的に示すために、$の記号を利用します。例えば、C5セルを絶対参照したい場合は、$C$5のように表記します。絶対参照は、列のみ、もしくは行のみに指定することも可能です。例えば、C$5と表記すれば、行方向のみが絶対参照されますし、$C5と表記すれば、列方向のみが絶対参照されます。

マクロ

マクロとは、表計算の関数を用いて処理を実現するものです。マクロを用いることで、プログラム処理と同じように処理を実現することができます。
マクロは上述した関数を組み合わせて作成することができます。例えば、集計を行ったうえでその値によって処理を変えるような処理を行う場合や、条件によって後続の処理を切り替えたい場合など、表計算においてある程度複雑な処理を実施したい場合には、マクロを利用することが有効です。

演算子

演算子とは、加算や減算、否定や論理積などの処理を行うための記号のことです。プラスやマイナスなどが代表的ですが、それ以外にも用いられる演算子があります。
表計算において利用される演算子は以下の通りです。

演算方法 演算子 利用例
加算 5+2
減算 7-3
乗算 2*5
除算 6/3
べき乗 4^2
一致 C1=C2
非一致 C3≠C4
大なり >もしくは≧ C5>C6
小なり <もしくは≦ C7<C8

まとめ

この記事では、基本情報技術者試験を受けようとされている方に向けて、表計算に関する内容の解説を行いました。この記事を見てもらえれば分かる通り、表計算とは言っても関数の利用などある程度プログラミング的な要素が求められる試験問題となります。普段Excel等で表計算に慣れている方も、必ず試験対策として出題される問題や代表的な関数などについて押さえておくことが大切です。

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