損害賠償金と税金とは?|わかりやすくFP解説

損害賠償金と税金とは?
目次

損害賠償金と税金とは

損害保険から賠償金を支払った場合や、賠償金を受け取った際、どのような経理処理が必要となるのでしょうか。

この場合の、賠償金とは、例えば自宅に乗用車が追突して塀を破損された場合の修理料・慰謝料や、病気で入院した場合の見舞金を指します。

個人の場合

賠償金を支払ったときは、税金面での所得控除は特にありません。賠償金を受け取ったときは、賠償金・見舞金共に非課税となります。これは人身事故・物的事故を問いません。

損害賠償金と税金とは?

個人事業主の場合

賠償金を支払ったときは、事業主の業務に関わる損害賠償金等は、必要経費に算入します。ただし、事業主の故意または重過失があった場合を除きます。

賠償金を受け取ったときは、そのケースにより経理処理が異なります。

  • 身体障害の場合…非課税となります。
  • 事業用資産の場合
    <店舗棟の事業用資産の場合>
    非課税となります。ただし損害額が賠償金を上回る部分は必要経費となります。
    <商品等の棚卸資産の場合>
    損害賠償金は事業場の収入金額として計上します。損害額は売上原価として必要経費として計上します。
  • 業務の休業等により受け取る場合…業務の休業等が損害保険の受取事由に該当し、保険金を受け取ることとなった場合、事業場の収入金額として経理処理します。

法人の場合

法人が賠償金を支払った場合、法人の業務遂行に関連する賠償金であって、従業員・役員に故意または重過失がない場合は、賠償金の額は、給与以外の損金の額に算入します。

従業員・役員に故意または重過失もしくは業務外の賠償金がある場合、賠償金に相当する金額が従業員・役員に対する債権となります。

法人が賠償金を取得した場合は、損害賠償金は益金として、損害金は損金として経理処理します。

損害賠償金と税金に関するよくある質問

交通事故で死亡した遺族へ支払われた損害賠償金は相続税がかかりますか?

交通事故で被保険者が死亡した場合、通常は相続人が受取人となります。その場合、相続人が受け取った損害賠償金には相続税は課税されません。

車で事故を起こした場合、自分の自動車保険から保険金を受け取った場合、所得税が課されますか?

個人が自動車保険に加入している場合で、その保険から保険金を受け取ったとしても、一時所得(所得税)の対象とはならず、非課税です。

個人事業主において、業務に関する損害賠償金を支払った場合は、どのような処理をするのですか?

個人事業主が業務に関する損害賠償金を支払った場合、すべてのケースで常に必要経費となるわけではありません。

個人事業主に故意または重過失があった場合は、必要経費とはなりません。原則として、上記以外の場合は必要経費として計上することができます。

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