FP3級とはどんな資格?試験内容や資格取得のメリットを紹介

FP3級とはどんな資格?試験内容や資格取得のメリットを紹介

お金に関係する仕事や勉強がしたくて、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を求める方は多いでしょう。効率的に学ぶなら、3級からのチャレンジがおすすめです。こちらの出題内容や合格率、難易度を知ることで、資格試験の全体像がわかるでしょう。

今回はFP3級を受けてみたい方のために、試験内容や準備方法などを紹介します。記事を参考にすれば、本番に向けた学び方や準備ができるでしょう。

目次

FPとは

FPとは「ファイナンシャルプランナー」の略です。お金にまつわる相談事を解決します。家計や老後、教育、住宅などさまざまな場面にお金の問題がかかわることから、社会的に需要が高いとされます。まずはFPの基本的な定義から確かめましょう。

生活に必要なお金にまつわる相談を受ける

FPとは生活に必要なお金に関係した相談を受け、解決へ導く仕事です。日々の生活においてお金は切っても切り離せません。やりたいことだけでなく、やらなければいけないことがあるのにお金が足りなくて困る方がいます。そうした悩みを解決する役割としてFPが期待されているのです。

FPは相談者の生活上の問題解決や目標達成のために、お金の扱いにまつわる最適な答えを出します。相談者がわからないような専門知識も使いながら、最善の解決方法を与えるのです。これにより相談者の悩みが晴れれば、FPにとっての実績になります。

FPは必要に応じて専門家とのネットワークを使います。お金の問題はさまざまで、時にはFP一人だけでは解決できない事例もあるからです。この場合は法律やお金の専門家との協力を得ながら解決を目指します。このようにFPはお金の悩みに最適な答えを出す職業です。

FPが答える主な相談内容

FPが答える相談内容は多種多様です。家計や老後、教育、住宅、保険などあらゆる場面でお金がかかるからです。時には投資による資産運用や、子どもを私立の学校へ通わせるなど、一歩踏み込んだ希望に対して答えを授ける場面もあるでしょう。

FPの悩みとして多いのが生活全般に関する相談です。たとえば家計管理をもっと楽にしたかったり、老後にお金が足りなくなる不安を何とかしたりしたい方が大勢います。こうした人々には、最適なお金の管理方法をアドバイスすることになるでしょう。

一方で教育や住宅資金、保険などの特定分野に関する相談もあります。こちらは相談者の収入と出費のバランスを考えながら、最適なお金のマネジメントを導き出すのが目標です。

他にも資産運用でお金を増やしたいという相談もあります。この場合は損失リスクも考えながら、長期的なスパンでお金を増やす計画を話し合うのがFPの仕事です。FPの仕事内容は相談内容によって変わることを覚えましょう。

FPは需要が高い資格のひとつ

FPは以前から需要が高いとされます。日々の生活にお金がつきものなので、問題を解決したい方が多いからです。お金の問題解決を通して、相談者の生活をよりよくできます。これにより社会的な使命感も覚えられるでしょう。以上からFPは資格を得てから務める仕事として、やりがいを感じられます。

お金は生活から切っても切り離せません。生活の見直しや老後に向けた資産管理だけでなく、教育や保険、投資などFPへの相談内容はさまざまです。FPは相談者のライフスタイルや経済状況も配慮しながら最適解を出す必要があります。そのため資格試験ではお金に関するさまざまな専門知識を問われるのです。

FPは社会的な需要が高いぶん、充実した専門知識が必要です。多くの相談者から必要とされるためにも、まずは3級で基礎知識を磨くのがおすすめでしょう。

FPには2つの指定機関がある

FPには2つの指定期間があります。「きんざい」と「日本FP協会」です。2つともFPの資格試験を主催しており、どちらから受けても合格すればFPの資格を得られます。それぞれの特徴の違いを見ていきましょう。

きんざい

きんざいは「金融財政事情研究会」の略です。主に財政政策や金融機関経営などの視点から、お金に関するさまざまな情報を発信しています。現在ではオンラインサイトや本、セミナーなどさまざま形で金融関連の情報を伝えているのです。

きんざいではFP検定のほか、金融業務能力検定、DCプランナーなどお金の専門家の資格試験を複数主催しています。お金の情報を発信するだけでなく、その専門家を育てる役割も担う状況です。

FPの試験に合格した方のために「FP技能士カード」も作っています。顔写真入りで免許証のような見た目です。お金の知識や社会的なステータスをアピールするための重要なアイテムにもなります。このようにきんざいは金融に関する総合的な組織です。

日本FP協会

日本FP協会はファイナンシャルプランニングの普及啓発をメインテーマとしたNPO法人です。きんざいが金融に関して多種多様なアピールをしているのに対し、日本FP協会はその名のとおり、金融経済に関する教育に特化した印象です。

主な活動はファイナンシャルプランニングに関するメディア活動や情報発信です。無料セミナーや会員向けイベントなどさまざまな形で伝えています。専門家の教育にも力が入っており、FP1~3級だけでなく、AFPやCFPといった派生型FP系資格の試験をしているのも特徴です。

日本FP協会はお金の管理やそれに対する専門家を育てることを軸としています。そこからメディア活動や資格試験など、さまざまな活動を展開しているのです。

2つの指定機関における試験の違い

きんざいと日本FP協会では、学科試験の内容は変わりません。しかし実技試験の科目が異なります。以下の表で違いを確かめましょう。

主催者 実技試験科目
きんざい 個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務のどちらか
日本FP協会 資産設計提案業務(個人資産相談業務とあまり変わらない)

きんざいは個人資産相談業務だけでなく、保険顧客資産相談業務という科目も用意しています。日本FP協会と違って、自身の得意分野に合わせて選べるのがポイントです。保険関連の知識に自信があるなら、きんざいから受けるとよいでしょう。

きんざいと日本FP協会では、資格としての価値はあまり変わりません。どちらを受けた方が得かと疑問に思う方がいるようですが、とくに気にしなくてよいでしょう。スケジュールや主催組織の内容を見ながら決める形で大丈夫です。

FP試験に2つの指定機関が認められた理由

きんざいと日本FP協会は、ともにFP試験の指定機関として認められています。2001年の指定試験機関制度によって、2つとも公式な主催組織として受け入れられたからです。そのタイミングも同じなので、主催者による資格価値の違いはありません。

もともときんざいと日本FP協会は、それぞれが独自にFPの資格認定をしていました。きんざいでは「金融渉外技能審査」、日本FP協会ではCFP・AFPの資格認定を進めていたのです。つまり現行制度の前は、各組織が独自のやり方でお金の専門家を育てていました。

しかし2001年の指定試験機関制度の対象職種にFPが加わりました。このころにはきんざいも日本FP協会も資格試験の主催者として充分な実績があったため、国は複数指定試験機関方式の採用を決めたのです。以上から2つの組織が同時にFP試験の公式主催者として認められました。

FP3級の試験概要

FP3級の試験内容や流れを見ていきましょう。申請から結果発表までのスケジュールを中心にチェックしてください。

受験資格

FP3級の受験資格は日本FP協会の公式サイトによると、「FP業務に従事している者または従事しようとしているもの」とされます。「従事しようとしている」という表現は誰にでも当てはまるでしょう。これは具体的な受験者の制限がないことを意味します。

つまりFP3級では、受験資格についてとくに気にする必要はありません。家計や将来のため、お金の知識をつける目的の主婦が、FP3級の資格を手に入れるケースもあります。FP3級は、お金の知識を学びたい方なら、誰でも受けられるイメージです。

ただしFP2級の場合は、具体的な受験資格が定められています。認定研修を修了していたり、実務経験が2年以上必要です。しかし該当しなくても、FP3級の合格者なら次段階として受験可能です。以上からお金の基礎知識をつけてから他の資格試験へ生かすためにも、まずはFP3級を目指しましょう。

申請方法

FP3級はインターネットと書面のどちらかで申請可能です。パソコンやスマートフォンがあれば場所を問わずに申し込めることから、インターネットの方が効率的とされます。しかし機械の扱いに慣れなかったり、申込用紙を手に入れたことから書面で申し込む方もいるでしょう。ここでは日本FP協会の例で説明します。

インターネット申請では日本FP協会ホームページにアクセスし、FP3級の申請フォームへ向かいましょう。そこで以下の手順を進めます。

手順 内容
1 必要事項の入力
2 受験手数料の支払形式をクレジットカードとコンビニから選ぶ
3 仮受付メールを受け取る
4 指定方法に応じて受験手数料を支払うと、日本FP協会から支払完了のメールをもらう

ここまで済ませれば、申請締切から3週間後に受験申請完了メールが届きます。こちらを受け取れば正式に申し込めた形です。万が一メールが届かない場合は、申請先に連絡しましょう。ただし申請者の不備の場合は、締切後だと申し込みをやり直せないので注意です。

書面は日本FP協会に送付依頼を出したり、書店などで手に入れたりできます。以下の手順で日本FP協会に届けましょう。

手順 内容
1 申請書に記入。空欄や誤字脱字がないように注意
2 受験手数料を振込、申請書に支払明細書を貼りつける
3 専用封筒に申請書を入れ、郵便局にて簡易書留で送付(締切日の消印有効)

以上で書面手続きは完了です。

受験手数料

FP3級における受験手数料は非課税で、以下のとおりです。

種類 手数料
学科+実技 6000円
学科 3000円
実技 3000円

学科と実技のどちらかに分かれているパターンがあるのは、FP3級に実質的な科目合格制度があるからです。前回学科だけ合格できた場合、次回は実技のみの申請ができます。そこで実技も合格できれば、FP3級の資格を得られる仕組みです。

一部合格によって次回の受験料は通常の半分で済ませられます。最初は6000円かかりますが、再チャレンジのときはコストを安く抑えられる可能性があるのです。片方の科目だけて受かり、再チャレンジを試みる場合は、ぜひとも免除制度を使ってください。

試験日程

FP3級の試験日程は日本FP協会主催の場合、例年5月下旬、9月中旬、1月下旬の各日曜日という年3回です。2022年度の日程を見ていきましょう。

試験日 申請期間 合格発表
5月22日 3月10日~3月31日 6月29日
9月11日 7月5日~7月26日 10月24日
1月22日 11月8日~11月29日 3月2日

ちなみに2級も3級と原則同じ受験申請期間や試験日、合格発表になります。1級だけは年1回、9月中旬の日曜日にしかチャンスがありません。試験日自体は2級、3級と同じなのがほとんどですが、申請期間や合格発表日は違います。

2級や3級なら一度目のチャレンジで失敗しても、その年のうちにリベンジできるのがメリットです。しかし1級は出題内容も難しく、不合格になれば来年までチャンスはありません。3級への挑戦期間のうちに、期限まで適切な準備を整える習慣を身につけましょう。

法令基準日とは?

FP試験には法令基準日が示されています。これは試験問題の施行日に対し、いつの時点の法令が適用されるかを示しているのです。法改正はいつ、どの部分が変わるかわからないので、試験の主催者は出題内容を確定できるように、区切りの時期として法令基準日を定めているのでしょう。

たとえば2021年度の場合、実施月に応じて以下が法令基準日に決まっていました。

実施時期 法令基準日
2021年5月 2020年10月
2021年9月 2021年4月
2022年1月 2021年10月

出典:日本FP協会「3級FP技能検定・2級FP技能検定 試験要綱」

試験時期によって、何カ月前の法律が適用されるかが違います。たとえば5月なら約7カ月前の前年10月1日時点が適用されていますが、1月でもその年の前年10月1日時点の法律が適用されています。後者の場合、法令基準日は3カ月前です。試験時期に応じていつの法律に対応すべきかに気をつけましょう。

持ち物

FP3級に必要な持ち物を紹介します。

持ち物 備考
受験票
本人確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなどから1種類
筆記用具 シャーペンかHBの鉛筆、消しゴム
計算機 電源内蔵で演算機能のみのもの。そろばんは認められていない。故障に備えて複数持ち込めるが、机に出せるのは一度に1台だけ
腕時計 スマートウォッチやウエアラブル端末を除く

あとは必要に応じてマスク、ハンカチ、ティッシュなどのエチケット用具があればよいでしょう。

FP3級の試験内容は?

FP3級の試験内容を見ていきましょう。ここでは出題形式や主な試験問題に加え、一部試験免除を受けられるケースも解説します。

出題形式

FP3級の場合、以下が出題形式になります。学科と実技どちらもマークシート形式なのが特徴です。

種類 問題数 試験時間 合格基準 満点
学科 60問 120分 36点以上 60点
実技 20問 60分 60点以上 100点

2級では実技が記述式になっています。1級は学科自体が基礎編と応用編に分かれ、基礎編だけマークシートになり、応用は記述式です。さらに実技は口頭試問なので、面接での対応力も問われます。

以上と比べると、FP3級は出題内容だけでなく、形式ももっともシンプルとわかるでしょう。マークシート形式では選択肢の正誤を読み分ける力が重要です。しかし試験勉強ではその力を養うことに専念できるのも、FP3級のメリットでしょう。

試験問題

FP3級ではお金に関するさまざまな試験問題が出ます。学科試験における主な範囲を見ていきましょう。

カテゴリー 範囲詳細
ライフプランニングと資金計画 ファイナンシャルプランニングと倫理、関連法規、考え方、手法など
リスク管理 リスクマネジメントや保険制度全般、生命保険、損害保険など
金融資産運用 マーケットへの理解、預貯金および金融類似商品等、投資信託、株式投資など
タックスプランニング 日本の税制や所得税の仕組み、損益通算、所得控除など
不動産 不動産の見方や取引、関連法令上の規制、取得や保有、譲渡にかかわる税金、賃貸など
相続・事業承継 関連法、贈与、税金、相続など

実技試験では、きんざいの場合のみ「個人資産相談業務」「保険顧客資産相談業務」からひとつを選びます。日本FP協会では資産設計提案業務のみが対象です。いずれの場合もケース別の資産相談業務への答えを示します。

試験免除の場合

FP3級では不合格になっても、次回の再受験で試験免除を受けられるケースがあります。学科または実技のどちらかにだけ合格した場合、期限内に合格科目の免除申請ができるのです。以上の場合、不合格科目だけを受験して合格になれば資格をもらえます。

学科と実技のうち片方だけ合格になった場合、合格時の試験実施日の翌々年度末のFP試験まで有効です。この場合は、合格した試験形式の免除申請をしなければ、次回も学科と実技の両方を受けることになります。

きんざい、日本FP協会の免除申請つきの申請書をダウンロードし、所定欄に入力して目当ての主催者に届けましょう。合格済みの科目がある場合、学科・実技のどちらかが免除された状態で、片方だけの受験を認められます。

FP3級の合格率は?

FP3級は、FP試験の入門レベルなので合格率が高いといえます。ただし主催者によって合格率が変わることに注意です。具体的なデータを見ていきましょう。

合格率相場を学科・実技ともに日本FP協会なら85%

FP3級における最近の合格率を以下に示します。

日本FP協会合格率 きんざい合格率
時期 学科 実技 学科 実技
2021年9月 84.69% 80.50% 53.31% 46.29%
2021年5月 83.25% 76.65% 47.81% 53.16%
2021年1月 87.92% 86.53% 63.75% 57.29%
2020年9月 89.64% 88.04% 69.28% 47.08%
2020年1月 85.34% 79.45% 65.43% 49.17%

出典:日本FP協会および金融財政事情研究会の各試験結果より。2020年5月は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ともに実施されず。また2021年1月試験時はきんざい主催の鹿児島市会場で再試験が実施されているが、本記事のデータでは考慮しない

日本FP協会でFP3級を受けた場合、合格率の相場は学科・実技ともに85%に達します。しかしきんざいだと学科・実技ともに合格率が下がった状態です。確実に受かりたいと思ったら、日本FP協会からの申請をおすすめします。

きんざいで受けると合格率が低くなる

きんざいでの合格率相場は学科だと60%、実技だと50%に下がります。日本FP協会と資格価値は変わらないのに、ここまで合格率が下がると疑問に思う方もいるでしょう。

実はきんざいでは法人単位での申し込みが多いとされます。金融関連の企業が、社員にFP試験を受けるように呼びかけるケースが多いのです。しかし企業での義務という理由だけでは勉強に身が入らない人もいます。以上の要因が、全体の合格率を下げているのでしょう。

またきんざいでは実技試験の専門性が高いとされます。選択可能な個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務では、あまり合格率は変わりません。しかしどちらも高度な知識を要求されることから、正解率が低いようです。

このように試験の主催者によって、実技試験の方向性が異なり、合格率に差をつけているようです。不合格が不安な場合は、日本FP協会から申し込んだ方が、ある程度プレッシャーを抑えられるでしょう。

合格者は社会人から主婦まで幅広い

FP3級では、社会人から主婦まで幅広い方が資格を手に入れています。とくに日本FP協会で合格率の相場が高く、多くの方がクリアできているのが実情です。お金の入門知識や関連法規を問う試験だけあって、要点を押さえながらの準備が合格の可能性を高めているのでしょう。

具体的な受験資格が設けられていないのも、FP3級合格者の層が幅広い要因です。社会人ならスキルアップ、学生なら就職活動でのアピールなど目的が異なります。主婦でも家計や貯蓄などのためにお金の知識を広めたいという目的で、資格を手に入れる方がいるようです。

このようにFP3級はお金を学び始めた方にとって、やりがいを感じられるでしょう。資格取得をきっかけに、FP2級や1級に挑戦したり、他の資格に目を向けたりする自信もつきます。仕事の面でもお金の知識を生かし、キャリアアップや人脈形成のきっかけをつかめるでしょう。

FP3級の難易度を紹介

FP3級の難易度は、資格試験としては低いとされます。しかし試験の構成によって、同じ合格率でもどれだけ難しく感じるかが変わるでしょう。FP3級の試験構成から難易度や注意点を解説します。

FP試験としては難易度は低い

FP3級は国家試験ですが、難易度は低いといえます。合格率の相場は日本FP協会基準で85%です。きんざいではいくらか合格率は落ちますが、それでも半分以上が合格するケースが多いといえます。

日本FP協会ときんざいでは、出題内容があまり変わりません。しかしきんざいでは実技試験を中心に、専門性が高く求められる内容です。こうした傾向が、日本FP協会より合格率が低い要因でしょう。

確実に低難易度で受けたいなら、日本FP協会にFP3級の受験を申し込んでください。合格率の相場が高いので、プレッシャーを感じすぎる必要がありません。主催者によって合格率は左右されますが、基本的には要点を押さえた準備ができていれば、多くの問題を解けるでしょう。

実技試験の難易度

FPの試験は学科と実技の2科目に分かれています。両方に対応しないといけないぶん、勉強の進め方や試験への臨み方が難しく感じるでしょう。しかし丁寧にスケジュールを組み、バランスよく対策を整えていれば、失敗するリスクを抑えられます。

とくに実技試験の対策が重要です。学科で多くの問題を解けるからといって、実技をおろそかにしてはいけません。逆に実技も学科と同じ時間だけ勉強して、攻略法を見つけ出せれば、難易度を低く感じるでしょう。

またFP試験では各級ともに過去問を入手できます。数回分の過去問を調べれば、頻出問題や題材がわかるでしょう。出題傾向をつかめば、要点を見つけやすくなります。要点の理解を中心とした勉強で、FP3級は確実に攻略可能です。

学科試験の試験構成がシンプル

FP3級の難易度が低い要因として、シンプルな試験構成があります。学科と実技に分かれてはいますが、どちらもマークシートで答えるからです。択一問題だけで構成されているため、正しい選択肢を見分ける力さえつけば、攻略の可能性が上がります。

とくに学科試験は、正誤問題と3択問題からなります。正誤を見分ける問題では、知識を働かせ、文章の正しさや間違いをとらえる力が重要です。3択問題でもやることは変わりませんが、選択肢が少ないぶん、正解を見つけやすくなるでしょう。

他の資格試験では、択一問題において4択や5択が多いといえます。FP3級のように3択の出題はあまり見られません。以上からFP3級は、学科と実技の2つに分かれた試験としては、難易度が低いといえます。

年3回の実施も難易度が低い要因

FP3級では再チャレンジがしやすい環境も特徴です。1月、5月、9月と年3回挑めます。たとえば5月に初めてチャレンジして失敗しても、できなかった部分を分析し、対策を強めれば9月にその成果を生かせます。

FP3級は試験免除制度があるのも、難易度が低い要因です。学科と実技のうちどちらかに合格すれば、発表に対応した試験日から翌々年度末まで免除してもらえます。つまり学科だけ受かれば、次回以降はしばらく実技だけの受験可能です。

片方だけ受かれば、近いうちに受からなかった科目だけ再チャレンジできるのがFP3級の特徴です。コストの関係から望ましいのは一発合格ですが、FP3級は年内に3回までチャレンジできるので、難易度がやさしいといえます。

FP3級の難易度を他の資格と比較

FP3級の難易度は、他の資格と比べてみたらわかりやすいでしょう。ここでは日商簿記や宅建士など、資格として人気があるもの同士で比べてみました。FP3級の合格率相場は日本FP協会の基準で学科・実技ともに85%で、勉強に必要なのは約80時間とされます。ぜひとも他資格との比較に役立ててください。

日商簿記3級

日商簿記3級は、会計や経理の基礎知識を問う簿記資格の入門レベルです。FP3級同様、学生から社会人、主婦まで需要が高いとされます。3級と2級でネット受験もできるようになったため、さらなる人気の高まりが予想される状況です。

日商簿記3級の合格率の相場は40%になります。しかしFP3級と違ってインターネット受験ができるぶん、試験環境としては日商簿記の方がやりやすいかもしれません。

CBT試験は自宅からできるわけではありませんが、試験センターが定める日時として会場や時期が幅広く分散されています。これにより日商簿記3級では、受験のタイミングを好きな形で決めやすくなりました。

日商簿記3級の勉強時間は約100時間が目安です。資格試験全体のなかでは少なめですが、それでもFP3級より入念な勉強が必要になります。以上からFP3級は日商簿記3級より、合格率や勉強時間からも難易度が低いといえるでしょう。

宅建士

宅建士は「宅地建物取引士」の略で、不動産取引のサポートが主な仕事です。宅建士の資格取得をきっかけに、独立開業を視野に入れる方も多いといえます。不動産や相続などに関する法的理解も出題されるため、FPに通じるものもあるでしょう。

宅建士の合格率の相場は15%です。FP3級は年3回受験が可能ですが、宅建は1回だけなので、試験環境としては難易度が高いといえます。入念な準備をして望まないと、後悔するリスクがつきまとうでしょう。

勉強時間も500時間が相場になっており、FP3級とは比べものにならない難易度が予想されます。資格試験自体に慣れたいと思ったら、FP3級のような入門レベルから挑むのがおすすめです。

行政書士

行政書士は法律系の資格として需要が高いとされます。主に官公署への提出書類の作成や提出の代行、法人を中心としたクライアントからの相談に答えるなどの業務があります。行政書士にしかできない業務も多く、社会的ステータスが高いでしょう。

行政書士の合格率の相場は10%です。FP3級でも法律関連の問題がありますが、行政書士試験の方が幅広い知識を求められます。独占業務が幅広い関係もあり、FP1級でも考えられないほどの専門知識を要するでしょう。

行政書士の勉強時間は800時間が相場です。これは独学の場合で、通信講座の利用でこれより少し短い勉強時間で合格する方もいます。それでもFP3級は行政書士より合格率がはるかに高く、勉強時間も限定的なので、難易度の差が大きいのが特徴です。

FP2級・1級

同じFPでも2級、1級とレベルが上がっていきます。2級の合格率の相場は学科50%、実技60%とされます。また1級は学科15%、実技が10%が相場です。1級になると途端に難しくなるので、3級と2級の段階でお金の知識を整える必要があるでしょう。

勉強時間は3級が80時間程度で済むのに対し、2級は150時間は必要です。FP1級になると600時間は必要とされます。1級に限り専門的な知識が幅広く問われるのが特徴です。また3級と2級は年3回ですが、1級は日本FP協会、きんざいともに1回しか実施しません。つまり試験環境がシビアです。

社会的ステータスはFP2級以上の方がアピールしやすいといえます。就職や転職のしやすさ、資格手当などのキャリアアップを意識するなら1級まで目指したいところですが、3級よりはるかに難易度が高いことに要注意です。

FP3級の勉強は独学で可能か?

結論からいうと、FP3級は独学でも合格できます。しかしそれには適切なテキストを用意するなどの準備が大切です。独学で合格するためのポイントをまとめました。

口コミで評価が高いテキストを試す

FP3級に合格するなら、口コミで評価が高いテキストを使いましょう。口コミの大半は、実際に同じ商品を使った方の感想だからです。加えて自身で書店を訪れ、表紙を中心にテキストの内容を確かめるとよいでしょう。内容について気になる点があれば店員への相談もおすすめです。

資格試験の関連テキストには一般的な参考書に限らず、過去問や模試もあります。参考書だけでなく、ときには過去問や模試も使い、解き方や時間配分も学びましょう。これにより本番ではスムーズな対応を進めやすくなります。

とくに過去問は重要です。数回分を解くことで、頻出問題がわかります。最初から最後まで解いてみて苦手だった分野は、解答の解説を慎重に見ながら解き方を学びましょう。これによりFP3級の試験本番に向けた準備を整えられます。

合格率は高いが油断できない

FP3級の試験は合格率が高いとされますが、油断はできません。入門レベルなのであまり勉強しなくてもいいと考える方もいるようですが、あくまでも問われるのは専門知識です。準備が不十分だと問題を解けず、不合格になる可能性もあります。

FP3級で問われるのは税金は不動産、年金などの身近なジャンルですが、法律や専門用語が多数出てくるのも特徴です。そのためFP3級のテキストや過去問を使い、法的理解や専門知識のマスターに慣れていく必要があります。

FPのなかでは3級がもっともレベルが低いといえますが、専門知識を問われることに変わりはなく、油断できません。本番をこなすためにも、テキストや過去問から出題内容を想定し、解き方を学んでいきましょう。

FP3級の勉強時間

FP3級の勉強時間の相場は80時間程度とされます。加えて出題傾向を研究し、効率的な解き方を見つければ、より短い時間でも合格できるでしょう。他の資格試験と比べてもFP3級に必要な勉強時間は短いといえます。学習のポイントと合わせて見ていきましょう。

相場は80時間程度

FP3級の勉強時間の相場は80時間程度です。しかしお金や法律の理解に時間がかかる場合は、150時間程度まで見積もった方がよいかもしれません。一方で実務経験があったり、法律を学んだことがある場合は、80時間よりも短い時間でマスターできる可能性があります。

相場である80時間は、1日2時間勉強する場合、2カ月~3カ月学び続ける計算です。資格試験としては勉強に取られる時間が少ないので、スケジュール調整は難しくありません。80時間を確保したうえで、計画どおりに学習を進めましょう。

出題傾向を研究すれば少ない勉強時間でも対応可能

FP3級は出題傾向を研究すれば、少ない勉強時間でも合格に近づけるかもしれません。合格率の相場が高いこともあり、要点をつかめば多くの問題を解けるでしょう。FP3級は毎年出題パターンが決まっているからです。

そこでFP3級の過去問をチェックしてみましょう。出題パターンが決まっていれば、数回過去問を解くだけで多くの頻出問題がわかります。過去問をひととおり解き終わったら、よく出てくる問題のタイプや題材を別紙にメモしましょう。

メモにあった題材の要点をつかめば、得点力を上げられます。FP3級はマークシート形式なので、頻出の知識への理解が深ければ、正誤を見分けやすくなるのです。よく出る問題への理解が深ければ、FP3級合格の可能性が上がるでしょう。

他の資格と勉強時間を比較

FP3級の合格に必要な80時間の勉強は、他の資格と比べて短いといえます。以下の比較表を見てみましょう。

資格 勉強時間の相場
FP3級 80時間
日商簿記3級 100時間
宅建士 500時間
行政書士 800時間
FP2級 150時間
FP1級 600時間

以上からFP3級は資格試験のなかでも必要な勉強時間が少ないといえます。勉強を習慣づけるうえでも、入門レベルの資格は取っておくとよいでしょう。

合格に向けた効率的な勉強法

FP3級の合格を目指すなら、効率的な勉強法を覚えると得です。限られた時間でもスムーズに問題を解いていければ、勉強を楽しみやすくなるでしょう。基礎知識のマスターや法改正を確かめるなど、適切なやり方を解説します。

まずは基礎知識をマスター

FP3級は入門レベルですが、そのなかでもさらに基礎的な知識をマスターしましょう。基本的なことから学んでいけば、応用問題も解きやすくなるからです。専門用語や知識がわからないまま難しい問題を見続けると、モチベーションに悪い影響が及びます。

勉強に対するモチベーションを保つなら、基礎知識のマスターから始めるのが無難です。基礎知識の例には頻出問題や、出題分野における専門用語の意味、各分野において求められやすい知識などがあります。テキストや過去問などを通してくまなく確かめましょう。

テキストをひととおり読み、試験に出やすいところや、理解に重要なポイントを見るのが大切です。こうした基礎の徹底が資格試験だけでなく、将来の勉強や実務で役立ちます。

法改正の情報を確かめる

FP3級では法改正への対応が重要です。試験ではお金に関係した法律も多く扱ううえ、いつどの法律が変わるかはわかりません。古いテキストを使い続けていると、改正後の法令に対応できないことがあります。

FP3級では法令基準日があるので、本番に合わせて法律を確かめやすい印象です。しかし基準日よりあとの法改正が適用されない点に注意しましょう。なるべく新しいテキストを使いながらも、法令基準日時点の法律と自身の認識がズレていないかにも気をつけてください。

定期的に過去問を解く

FP3級への合格には、定期的な過去問への取り組みが重要です。出題傾向に特徴があり、過去問で頻出要素がわかりやすいからです。数回分の過去問を模試のように解いていけば、とくに理解すべきポイントがわかります。

出題傾向を知れば、勉強に力を入れるべき箇所を知れます。勉強へのモチベーションを高めながら要点をつかむことで、FP3級の合格に近づけるでしょう。

一度は模擬試験を受ける

FP3級を受けるなら、一度は模擬試験を受けた方がよいといえます。本番の雰囲気を感じるうえで重要だからです。試験構成を知るだけでなく、どの部分に何分かけるのがちょうどよいかという時間配分もカギをにぎります。模試の代わりに過去問を受けてもかまいません。

模試の得点が高ければ、得意分野をさらに伸ばせます。低い場合は原因を分析し、本番まで改善に努めましょう。模試から新たな対策を見出せば、合格に向けた適切なやり方がわかります。

普段から思い出す努力をする

FP3級に限らず、資格試験合格には普段から思い出す努力が大切です。ひまなときに勉強した内容を思い出し、脳を活性化させましょう。こうした行動の繰り返しにより、記憶が強固になります。

たとえば朝起きたあとや寝る前、通勤時間などにFP3級で勉強したことを3つ思い出してみましょう。FP3級のことを考える時間が多いほど、理解が深まっていきます。合格の可能性を高めるには、FP3級への意識を高めることが重要です。

スキマ時間を使う

FP3級に限らず、勉強時間の確保にはスキマ時間の確保が必要です。日々の仕事や家事はどのタイミングで始まり、いつ終わるかわかりません。事情によってはまとまった時間を取れないケースもあるでしょう。

しかし忙しい間でも、わずか数分や数十分程度、何もしなくてよい時間が見つかります。そのときに少しでもFP3級の勉強を進める習慣をつけましょう。 一度に解く問題が少しずつでも、何度も取り組むことで勉強時間の合計が長くなります。

たとえば一度の勉強時間が10分ずつでも、それを10回繰り返せば、最終的に100分勉強したことになります。まとまった時間が取れないからと諦めず、少しでも空いた時間はFP3級の学習を選ぶ意識が大切です。

FP3級合格のメリットは?

FP3級合格によって、さまざまなメリットを得られます。お金の知識が深まるだけでなく、就職や転職に有利になるのもポイントです。他にもFP2級の受験資格を得られます。FP3級合格によるメリットをまとめました。

お金の知識を深められる

FP3級の勉強や合格により、お金の知識を深められます。金銭面で有利な制度を学べるので、実生活に生かしやすいからです。実務だけでなくプライベートでもお金の問題は起こりえます。そうしたときにFPの知識があれば冷静に対処できるかもしれません。

以上の背景から社会人や主婦など、FPを目指していない方でも資格を取るケースがあります。適切な家計や資産プラン形成の知識を得るためです。幅広い方に門戸が広げられているので、FP3級からお金の勉強を始めてみましょう。

就職や転職に有利

FP3級の合格によって、就職や転職に有利になります。2級や1級の方がより強くアピールしやすいといえますが、3級でも人材として重要視してくれる企業があるかもしれません。企業では常にお金が動いているので、関連知識があるとわかれば興味を示してくれるでしょう。

保険会社や証券会社などでは、FP3級でもアピールしやすいとされます。保険会社はもちろん、証券会社には資産運用目的で株式投資する顧客がいることからFPの知識が働きやすいのです。

FP3級合格だけでなく、2級以上を勉強中の場合は履歴書にその旨を記しましょう。これによりチャレンジ精神や、金融分野への関心の強さなどを面接でアピールしやすくなります。

資格としてはFP3級を足がかりにすれば、目的の2級や1級への道も近づきます。よりレベルの高い資格に合格すれば、就職や転職へのアピールにつながるのです。とくに2級は年3回開催されていることから、3級合格後まもなく受けられます。転職へのステップアップのきっかけとして3級を位置づけてもよいでしょう。

FP2級の受験資格を得られる

FP3級の合格によってFP2級の受験資格を得られます。FP2級では実務経験や研修修了などが条件とされていますが、FP3級に合格するだけでも受験資格に当てはまるのです。2級への足がかりとして3級からチャレンジしてもよいでしょう。

現実的にも3級でお金の基礎知識を整えた方が、2級に挑みやすいといえます。ある程度基礎知識があれば、2級でもスムーズにこなせる題材があるからです。基礎知識を備えることで、格上の資格に必要な予備知識を生かせます。

弁護士や税理士などとのネットワークを作れる可能性

FP3級合格によって、弁護士や税理士などとのネットワークを作れる可能性が生まれます。法律やお金に詳しい専門家と知り合えたり、そうした職業を目指している方々と情報を共有できるかもしれません。

相談者の問題を解決するためには、他の専門家とのネットワークが重要なケースもあります。人脈をうまく使って、問題解決のヒントを手に入れられるかもしれません。

FP3級の試験が終わったら自己採点をしよう

FP3級の試験本番が終わったら、自己採点が重要です。終わってから合格発表までには時間がありますが、それまでに合格できているか不安な方もいるでしょう。過去問やテキストと照らし合わせて問題の答えを調べれば、ある程度の得点を想定できます。

自己採点によって合格の可能性を確かめられます。可能性が高ければ次のFP2級に向けた準備を始めてもよいでしょう。出来がよくないとわかったら次回のFP3級の試験に向けた対策強化が重要です。このように自己採点によって、次に取るべき行動を決めやすくなります。

まとめ

FP3級は国家試験としては難易度が低いといえます。しかし専門的な知識を問われるため、油断はできません。テキストや過去問をチェックし、問題や解き方を想定しましょう。

FP3級の合格率相場は日本FP協会主催なら学科・実技ともに85%に達します。きんざい主催だと合格率は下がりますが、それでも受験者の過半数が受かる場合が多いのが特徴です。必要な要点をつかみ、試験本番まで準備を整えれば、まず合格の可能性は高いでしょう。