FP(ファイナンシャルプランナー)3級とは?試験内容や難易度などを徹底解説!
更新日:2024年2月20日
顧客の資産運用などに関してアドバイスを行うファイナンシャル・プランナー。このファイナンシャル・プランナーとして働くときに、大きな力となるのが「ファイナンシャル・プランニング技能士(以下:FP)」の資格です。
FPには1~3級の資格があり、初学者が最初に目指すのが3級の資格。この記事ではFP3級資格の受検資格や試験日程、さらに対策のコツなどをまとめていきます。
FP(ファイナンシャルプランナー)とは一体どんな資格?
FPとは、「暮らしとお金の専門家」です。家計管理や資産運用、税制、年金、保険に関わる幅広い知識を活かし、相談者一人ひとりの生活に合わせた資金計画をサポートします。いわば「顧客の人生に寄り添う仕事」と言っても過言ではありませんが、これに従事する上ではある程度の適性が求められます。
まず第一に、「数字や計算に強い」ことが挙げられます。資産運用に関わる相談では、数字の比較や計算がつきものです。よって、数字や数学が得意な方に向いている仕事と言えるでしょう。
また、「コミュニケーション能力がある」に越したことはありません。顧客のライフプランに関わる仕事なので、その特性上、相手との対話は避けては通れません。
加えて、「情報収集が得意」というのも、FPとして活躍する上で重要な要素となります。FPが扱う金融商品や保険、不動産の動向、税制、年金・社会保険制度は、社会情勢や時代に合わせて刻々と変化します。
よって、常に最新の情報を入手し、その情報を理解しつつ、顧客に最適な方法を提案できることが不可欠です。
FP(ファイナンシャルプランナー)について詳しくはこちらFP3級の試験機関は2つ存在する
FPには1~3級まで3つの階級があります。今回はその中でも入門編ともいえるFP3級の試験に関して紹介していきましょう。
FP試験は国家試験の中では珍しく、実施団体が2つあります。「金融財政事情研究会(以下:きんざい)」と「日本FP協会」です。
FPは2002年制定という比較的新しい国家資格です。ファイナンシャル・プランナーの資格はこのFPが制定されるまで、民間資格がいくつか存在していました。その民間資格を認定していたのが、上で紹介したきんざいと日本FP協会です。
その流れを汲み、FP資格の制定と同時に、この2つの団体で試験を実施することが決まり現在に至っています。
試験実施団体は2つに分かれていますが、FP3級の試験の出題レベルはほぼ同等にされており、合否判定基準に関しても同じ基準が採用されています。そのため、どちらが簡単でどちらが難しいという差はありませんのでご安心ください。
きんざいと日本FP協会、FP3級はどちらで受けるべき?
出題内容や合否判定基準が同じであれば、どちらの団体を受けても同じといいたいところですが、2つの団体で違いもあります。それが実技試験の科目です。
FPの試験は基本的に学科試験と実技試験の2つの試験があります。このうち実技試験は、受検科目によって得られる資格が違います。
きんざい | 日本FP協会 | |
---|---|---|
実技試験科目 | 個人資産相談業務 | 資産設計提案業務 |
保険顧客資産相談業務 |
FP3級試験の実技試験は、きんざいで2科目、日本FP協会で1科目が実施されます。きんざいで実施される「個人資産相談業務」と日本FP協会で実施される「資産設計提案業務」について、大きな差はありません。
保険顧客資産相談業務に関しては、保険業界などで働く方におすすめの科目。ほかの2つは一般的にファイナンシャル・プランナーとして働く場合に活用できる基本的な知識が問われます。
FP3級試験概要とスケジュール
FP3級の試験概要に関して解説していきましょう。上記の通り試験実施団体は2つありますので、それぞれの試験に関して試験日程などに関して解説していきます。
試験方式
FP試験は学科試験と実技試験で行われます。学科試験に関してはきんざい・日本FP協会ともにまったく同じ問題が出題され、合格基準点も同じになります。
違いがあるのは実技試験。きんざいの実技試験は出題数が5問。すべて事例問題となり、各設問の配点は10点満点となります。合格ラインは50点満点で30点です。
日本FP協会の実技試験は出題数が20問。配点は各5点で、合格基準点は60点に設定されています。
合格基準はどちらも6割の正答率です。しかし、出題数が違います。きんざいの出題数の方が少ないため、より解答に時間のかかる問題が出題されると言えるでしょう。
試験日程
FP3級の試験は2024年4月よりCBT方式に変更になりました。休止期間を除き、テストセンターの空いている日時から受検者の希望する日時を選択可能です。
受検資格
FP3級の試験は、学歴や実務経験に関わらず、誰でも挑戦できます。一方で、FP2級には受検資格があり、受検資格のひとつに「FP3級の取得」があります。つまりFP3級は、FP2級以上への挑戦の第一歩となるのです。FP3級の受験料は、学科と実技あわせて8,000円です。
法令基準日について
FP3級の試験問題の中には、当然ですが法律に関連する問題が出題されます。法律というものは常に法改正を繰り返していますので、受検するタイミングごとに細かい部分に違いが出るケースがあります。
そこでFP3級試験で設定されているのが「法令基準日」です。FP3級試験で出題される問題は、すべてこの法令基準日の時点の法律に則って出題・採点されます。
試験日 | 法令基準日 |
---|---|
2024年4月~2024年5月 | 2023年4月1日 |
2024年6月~2025年2月 | 2024年4月1日 |
FP3級の試験内容と難易度・合格率
FP3級では、学科試験と実技試験で合否が判定されます。学科試験は、資金計画、年金・保険、税、投資、不動産、相続といったお金に関わる幅広い知識が問われる内容となっています。
実技試験は、実際の相談業務を見据えた内容となっており、受験生は苦手意識を抱きがちですが、実務経験がなくても学科試験の知識を活かして対応可能です。
合格率はおおむねおおむね50~80%の間で推移しており、テキストや問題集で基本をまんべんなく習得できていれば、無理なく合格できるレベルです。
FP3級の実技試験で押さえるべきポイント
FP3級合格を目指す上でネックとなるのが「実技試験対策」です。試験対策に先立ち、まずは「実技試験の内容」を選択しなければなりません。
というのも、学科試験に関しては、きんざいと日本FP協会で共通の問題が出題されますが、実技試験に関しては実施団体で試験内容が異なるためです。
まずきんざいでは、個人資産相談業務または生保顧客資産相談業務からの選択となります。また、日本FP協会では、資産設計提案業務のみの出題に限定されます。
一般的には、きんざいの個人資産相談業務または日本FP協会の資産設計提案業務を選択する受験生が大半ですが、保険業界で働いている、またはこれから目指す方は、きんざいの保険顧客資産相談業務を選択する傾向にあります。実技試験では、必ずしも満点を狙う必要はありません。
そのため、試験対策では完璧にこだわり過ぎるのではなく、あくまで70~80%の正答を目指すイメージで準備できるのが理想です。
FP3級の学科・実技の合格点・配点は?
FP3級試験の合格基準点は、学科・実技共に「得点率60%」となっています。
まず学科試験では、日本FP協会、きんざいともに出題は共通で、2択問題と3択問題が30問ずつ出題されて60点満点、このうち60%の得点率である36点をクリアできれば合格です。
実技試験に関しては、日本FP協会の資産設計提案業務では1問5点で計20問の出題があり、100点満点中60点で合格です。きんざいでは個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務からの選択となりますが、いずれも3点問題が10問、4点が5問で計15問の出題、50点満点中30点が合格基準となっています。
FP3級を取得するメリット
FP資格の中では入門編的な資格であるFP3級試験。この試験に合格し、FP3級の資格を取得する事によるメリットを紹介しておきましょう。
FP3級で問われる知識は、金融資産の運用に関する基礎知識や、将来の保険や年金に関する基礎的な知識です。
こういった知識はこれから金融業界等、ファイナンシャル業界で働く方にとっては、知っておいて当然の知識となります。FP3級を取得しているため、こういった基礎的な身についていることを証明できるでしょう。
また、FP3級の知識は、仕事面だけではなく自分自身の生活にも活用できます。FP3級を取得することで得た知識があれば、自身のライフスタイルなどを冷静に見極め、判断できるようになるでしょう。
FP3級は独学で合格できる?スケジュール・ポイントは?
FP3級は、数ある国家資格の中では比較的合格率が高いこと、実生活をイメージしながら学習できることから、独学で挑戦する受験生も少なくありません。すでに基本的な知識を有する方であればもちろん、コツコツと学習に取り組める方、他の資格対策で独学に慣れている方であれば、対策講座を利用しなくても合格を目指すことができるでしょう。
ただし、FP3級対策では計画立案が重要です。試験日から逆算して必要な学習時間を確保できること、知識の習得と問題演習を計画にバランス良く盛り込んで取り組めること等、独学にはコツがあります。
関連リンク:FP3級試験に独学で挑む場合のポイントについてはこちら
関連リンク:FP3級の勉強方法について詳細はこちら
ファイナンシャル・プランナーを目指すならフォーサイトがおすすめ
ファイナンシャル・プランナーとして働くのを目指すのであれば、まずはFP3級の取得、そしてその後さらに上の資格を目指すのがおすすめ。
FP3級だけではなく、2級・1級を目指すのであれば、独学だけではなく通信講座の利用がおすすめとなります。
とくにおすすめしたいのがフォーサイトの通信講座。FP3級やそれ以上の資格を目指すうえで、フォーサイトがおすすめとなる理由を紹介していきます。
まずおすすめしたいのが、フォーサイトの「バリューセット」の存在です。
★フォーサイトFP講座の教材 ~バリューセット1~
- 3級試験対策テキスト
- 3級試験対策問題集
- 3級試験対策講義
- 2級試験対策テキスト
- 2級試験対策問題集
- 2級試験対策講義
- 模擬試験
- eラーニング教材 ほか
★フォーサイトFP講座の教材 ~バリューセット2~
◎バリューセット1に含まれた教材すべてに加えて以下の教材を追加
- 直前対策講座
- 過去問一問一答講座
フォーサイトのFP講座には、上記2つのバリューセットがあります。このバリューセットの大きな特徴は、FP3級とFP2級を同時に目指せるという点。
フォーサイトの通信講座で、FP3級と同時にFP2級を目指すのがおすすめである理由にも触れておきましょう。
仕事に活かせるのは2級以上
実際にファイナンシャル・プランナーとして働くことを考えた場合、取得しておきたいのがFP2級以上の資格です。FP2級以上の資格を取得していると、顧客からの信用も高まり、より多くの業務を任されるようになります。
そのFP2級の受検には受検資格があります。そのひとつがFP3級の取得。しかし、FP3級を取得してからFP2級の資格を取得するのは非常に時間がかかります。
その点フォーサイトの講座であれば、FP3級対策とFP2級対策が同時に行えますので、非常に効率的となります。
合格に照準を合わせたカリキュラム
フォーサイトの通信講座のカリキュラムは、最短で合格を目指すカリキュラム。FP3級試験で満点を取ることを目標としているわけではなく、合格基準点である60点を確実に取れるようなカリキュラムが組まれています。
このカリキュラムにより、無駄な勉強をせず、最短で試験合格を目指せるようになっています。
充実のeラーニング教材「ManaBun」が利用できる
とくに社会人の方にとっては、毎日の生活の中で勉強時間を確保するのが非常に大きな問題となります。
そんな方におすすめしたいのがフォーサイトのeラーニング教材「ManaBun」です。eラーニングとは、スマホやタブレットを利用して、場所を選ばず行う勉強法。フォーサイトのManaBunには、このeラーニングに適した教材が多数搭載されています。
eラーニング教材といっても、単純にスマホで視聴できる動画があるというわけではありません。画面の小さなスマホのサイズに合わせた専用の講義動画や、講義の音声データのみ、またスマホで簡単に挑戦できる演習問題など、場所を選ばず学習できる教材が揃っています。
また、講義動画や音声データは、15分程度の短めのものが中心。通勤電車内やランチタイムの休憩中など、ちょっとしたスキマ時間も勉強時間として活用できる教材となっています。
上で紹介したバリューセットにはこのManaBunも含まれていますので、毎日のスキマ時間を勉強時間に変え、効率的に学べます。
FP3級に関するQ&A
これからFP3級の資格取得を目指すという方が、疑問に思うポイントに関して解答をしていきます。
Q.試験は学科と実技両方合格しないといけないの?
FP資格の試験は、すべて学科試験と実技試験で行われます。FP3級はもちろん、すべての級の試験において、学科試験と実技試験の双方に合格しないと資格を得ることはできません。
FP3級の試験でも、学科試験と実技試験の両方を合わせて考えるとその試験範囲は非常に幅広く、独学で対策するのはかなり大変です。
通信講座を利用する、eラーニングを活用するなど、上手に対策を行い、試験合格を目指しましょう。
Q.FP3級は取得するべきか?
ファイナンシャル・プランナーの仕事は、顧客の相談を受け、その悩みに対し的確なアドバイスを行うことです。そのために重要なのが、顧客から信頼を得ることです。顧客から信頼されるために欠かせないのが資格なのです。
FP3級の資格を持つことで、顧客からもある程度の信頼を得られます。そのため、取得するメリットはあるといえます。
さらにFP3級の資格を取得することで、自身のライフプランやマネープランに関しても、正確な知識が身につくこともFP3級取得のメリットといえるでしょう。
また、将来的にファイナンシャル・プランナーとして仕事をしていくと考えた場合、FP2級以上の取得が推奨されます。後のFP2級以上の受検に向けて、試験対策の練習をするという意味でもFP3級の取得は大きな意味があります。
Q.FP3級合格者の年齢・業種の傾向はある?
FP3級合格者の年齢や業種に関わるデータは、公開されていません。ただし、年齢制限や実務経験等の受検資格がなく、誰でも挑戦できる試験であることから、学生から社会人まで幅広い属性が想定されます。
就職・転職の準備のため、仕事上のスキルアップを目指すため、家族のマネープランを検討するため、老後の人生設計のため・・・等々、FP3級の試験範囲が網羅するお金に関わる知識は、人生のあらゆる場面で必要となるでしょう。
Q.FP3級を有効に活用できる業界は?
FP3級の資格を活かせるのは、ファイナンシャル業務が中心となります。そう考えた場合、活躍できる業界は金融業界や保険業界などが中心となります。
さらに証券会社など、金融商品を扱う業界でも活躍できるのがFP3級という資格。資格を直接活用するだけではなく、FP3級を取得できるだけの知識自体は、いろいろな業界で活用できるでしょう。
ファイナンシャル・プランナーを目指す方だけではなく、金融関係の知識や法律知識などが活用できる全ての業界で活用できる資格といってもいいでしょう。
金融業界や保険会社、証券会社など金融商品を扱う業界などが中心です。
まとめ
FP3級の資格試験に受検資格はなく、試験はきんざいと日本FP協会という2つの団体が実施しています。
試験は学科試験と実技試験に分かれており、学科試験に関しては両団体ともに同じ問題が出題されます。団体ごとに違いがあるのが実技試験の科目や出題数。どの科目で受検するかは、自身にあった科目を選択しましょう。
FP資格には1~3級があり、FP3級というのは入門編的な資格です。とはいえ資格取得には金融関係の知識や法律知識、さらに保険や年金に関する知識等幅広い知識が必要となります。
FP3級を取得することで、ファイナンシャル・プランナーとして働くうえで基礎的な部分の知識を持っていることが証明できます。もちろんこうした知識は仕事だけではなく自身の生活でも活用可能。さらに将来2級以上の試験を受験するための、基礎的な知識を得ることも可能です。
FP3級の取得自体も大きな意味がありますが、ファイナンシャル・プランナーとして働いていくと考えた場合は、2級以上の資格取得が推奨されます。そこでおすすめしたいのがフォーサイトの通信講座です。
フォーサイトのFP講座には、2級対策と3級対策がセットになっているバリューセットがあります。FP3級を目指すと同時に2級の対策もできるセットであり、効率的に学びながら、最短で資格取得を目指すことが可能。
FP3級を目指すという方は、フォーサイトのバリューセットを活用し、同時に2級挑戦の準備も整えておくのがおすすめです。
金山浩晃(かなやま ひろあき)
合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天